HEALTH WORDS / 用語解説
左半身
Left side of the body
左半身とは、人体の正中線を通る矢状面を基準として、左側に位置する身体の部位全体を指す解剖学的および臨床的な用語である。1 人体の構造は左右対称性を基本としつつも機能的な非対称性を持つため、左半身の評価は神経学や循環器学などの様々な臨床現場において重要な意味を持つ。2
脳血管障害や脳卒中などの中枢神経系の病変が生じた際、脳の大脳半球における左右の制御機構の違いから、反対側である左半身に様々な麻痺や感覚障害が現れることが知られている。3 特に右側の大脳皮質や内包などの領域が梗塞あるいは出血によって損傷を受けた場合、左半身の運動麻痺である片麻痺や、触覚・痛覚などの感覚脱失が引き起こされる。4
また、脳損傷の部位や程度によっては、単なる運動機能や知覚機能の低下だけでなく、左半身に関する空間認知の障害が合併することがある。5 例えば、自身の身体の左側や左側の空間に存在する刺激に対して注意を向けることが困難になる半側空間無視は、右頭頂葉などの障害に伴って左半身側で顕著に観察される代表的な高次脳機能障害の一つである。6
循環器系の領域においても、左半身に存在する主要な臓器である心臓の位置関係や血流動態との関連で言及されることがある。心臓は胸腔のやや左側に偏って存在するため、左半身の血液循環や末梢血管障害、あるいは心筋梗塞に伴う放散痛が左側の上肢や肩などに現れるメカニズムの理解においても、左半身という解剖学的区分が臨床的に活用されている。7
参考文献・出典
- 解剖学用語: https://www.JAnatoc.org/terms/left_side ↩
- 標準理学療法学: https://www.igaku-shoin.co.jp/book/detail/9784260039239 ↩
- 脳卒中治療ガイドライン: https://www.jsts.gr.jp/guideline/2021_01.pdf ↩
- 今日の臨床サポート: https://clinicalsup.jp/jpoc/content.php?id=sk000002 ↩
- 高次脳機能障害情報支援センター: https://www.rehab.go.jp/brain_res/Hojino_file/Index.html ↩
- 日本高次脳機能障害学会: https://www.higherbrain.or.jp/about/about02.html ↩
- 循環器病awareness: https://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/disease/myocardial-infarction/ ↩