HEALTH WORDS / 用語解説
三次元培養表皮モデル
Three-dimensional cultured epidermis model
三次元培養表皮モデルとは、ヒト角化細胞を体外で培養し、生体の表皮組織構造や分化機能を三次元的に再構築した皮膚モデルである。1
このモデルは、動物福祉の観点や国際的な動物実験代替法の推進を背景として、化学物質や化粧品などの安全性試験における皮膚感作性や皮膚腐食性、皮膚刺激性の評価に広く利用されている。2
通常の二次元的な単層培養では再現が困難である、角化細胞の重層化、有棘層や顆粒層、そして最外層の角質層といった多層構造を保持している点が大きな特徴である。1
基底層に相当する最下層の細胞が分裂・増殖しながら上層へと移動し、最終的に角化して角質細胞へと変化していく過程が組織学的に再現されるため、生体に近いバリア機能を備えている。2
組織の作製においては、ヒト由来細胞や株化された角化細胞が用いられ、特殊な培地を用いて気相培養を行うことで表皮分化が誘導される。1
経済協力開発機構(OECD)のテストガイドラインなどにおいて、化学物質の安全性を評価するための公式な試験法として国際的にバリデーション(妥当性確認)が行われており、規制科学の分野でも重要な位置を占めている。2
また、毒性試験だけでなく、皮膚科学における基礎研究や、薬物動態学における経皮吸収性の評価、さらには再生医療における皮膚移植片の開発など、幅広い応用研究が進められている。1
参考文献・出典
- 医薬品医療機器総合機構 審査報告書: https://www.pmda.go.jp/drugs/2015/P20151222003/23006500_22700AMX00657_S100_1.pdf ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
- 国立医薬品食品衛生研究所 安全性生物試験研究センター 組織・業務: https://www.nihs.go.jp/dhs/organization/index.html ↩1 ↩2 ↩3