HEALTH WORDS / 用語解説
光散乱性色素胞
光散乱性色素胞とは、生物の体表において光を散乱させることによって構造色を発現させる特殊な色素胞の一種である。1 一般的な色素胞がメラニンなどの色素を細胞質内に保持して化学的な色彩を生み出すのに対し、光散乱性色素胞は細胞内に存在する高い屈折率を持つ結晶構造によって物理的に光を散乱・反射させる特徴を持つ。1
この光散乱性色素胞の代表例としてグアニンの結晶板を含む虹色素胞(イリドフォア)が挙げられ、魚類や両生類、爬虫類などの皮膚やウロコに広く分布している。2 グアニン結晶の厚さや配列の間隔は可視光の波長と同程度であり、薄膜干渉やミー散乱などの光学的現象を引き起こすことによって、青色や緑色、あるいは金属光沢を帯びた体色を形成する。1
脊椎動物における光散乱性色素胞は、単に体色を美しく見せるだけでなく、環境に応じた保護色の形成や求愛行動における信号としての重要な役割を担っている。2 また、神経系やホルモンによる制御を受けることで、結晶の傾きや配列を変化させ、瞬時に体色を変化させる能力を持つ生物も存在する。1
頭足類などの無脊椎動物においても、光を散乱させる構造を持つ細胞が複雑な皮膚組織の一部として機能しており、背景への擬態やコミュニケーションの手段として活用されている。2 このように、光散乱性色素胞は生物学や光学の分野において、構造色のメカニズムを解明するための重要な研究対象となっている。1
参考文献・出典
- Wikipedia: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%89%B2%E7%B4%A0%E8%83%9E ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
- J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200902045970222045 ↩1 ↩2 ↩3