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HEALTH WORDS / 用語解説

標準言語性検査

Standard Language Test for Aphasia: SLTA

標準言語性検査とは、脳卒中や頭部外傷などによる脳損傷の結果として生じる失語症の症状を多角的に評価し、その言語機能の障害像を定量的に把握するために開発された標準化された検査法である。1 わが国において最も広く普及している失語症の検査バッテリーであり、言語の受容面および表出面を網羅的に評価することが可能である。2

本検査は、1960年代から1970年代にかけて日本の言語聴覚療法の先駆者たちやリハビリテーション医学の研究者らによって開発が進められ、1977年に初版が刊行された。3 日本語の特性や日本語特有の文字体系(漢字および仮名)を考慮して作成されている点が大きな特徴であり、失語症者の言語症状を全国一律の基準で評価することを可能にした。2

標準言語性検査は、言語の主要な機能領域を網羅するように複数のサブテストで構成されている。 具体的には、聴覚的理解(聴覚的理解)、視覚的理解(読解)、発話(話し言葉の表出)、書字(文字の表出)、計算などの項目が含まれており、それぞれの領域における障害の程度を詳細に測定する。1

検査の実施にあたっては、厳密に定められた教示と手引きに従い、訓練を受けた言語聴覚士などの専門職が対面形式で行う。3 得られた結果はプロフィール形式などで視覚化され、患者の言語機能の強みと弱みを多面的に浮き彫りにする。2

標準言語性検査の臨床的意義は多岐にわたる。 第1に、失語症の有無やその重症度を客観的に判定するための重要な診断補助ツールとなる。1 第2に、詳細な下位項目ごとの成績を分析することにより、ブローカ失語やウェルニッケ失語といった失語症の臨床的病型分類を推測する手がかりを提供する。2

さらに、リハビリテーションの現場においては、患者一人ひとりの障害特性に応じた個別的な言語訓練計画を立案するための基礎資料として活用される。3 定期的に再検査を実施することで、治療介入による言語機能の回復経過や予後を縦断的に追跡・評価することも可能である。2

このように標準言語性検査は、医学・リハビリテーション科学・言語病理学の領域において、失語症者の臨床評価と研究の両面において不可欠な標準的ツールとして広く利用され続けている。1

参考文献・出典

  1. 国立国会図書館サーチ: https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007693993-00 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
  2. J-STAGE: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jnlp/15/4/15_4_465/_article/-char/ja/ ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
  3. J-STAGE: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jnlp/21/2/21_2_183/_article/-char/ja/ ↩1 ↩2 ↩3