HEALTH WORDS / 用語解説
治療
Treatment
治療とは、疾病、外傷、障害などの異常に対して、その治癒、症状の軽減、進行の防止、または機能の回復を目的として行われるあらゆる医学的・生物学的な介入および処置の総称である。1
治療の主な目的は、患者の健康状態を正常な状態へ戻すこと、あるいは損なわれた身体の機能を補完することにあり、疾患の病態生理学的な機序や原因に基づいて多角的に選択される。2
治療法はアプローチの性質や医療技術の形態によっていくつかの主要なカテゴリーに分類される。 薬物療法は、医薬品(薬剤)を用いて疾病の原因となる病原体の排除や生体の代謝機能の調節、炎症や疼痛などの症状を緩和する最も一般的な治療手段の一つである。2
外科治療(手術)は、メスなどの医療器具を用いて直接的に病変部や腫瘍の切除、縫合、再建などを行う侵襲的な治療法であり、構造的な異常や器質的な病変に対して根本的な解決を図る際に選択される。3
また、放射線療法は、高エネルギー放射線を病巣に照射することによって悪性腫瘍などの細胞のDNAに損傷を与え、細胞分裂を停止または細胞死を誘導して腫瘍の縮小を図る治療手段である。4
近年の医学の進歩に伴い、遺伝子治療や細胞治療といった最先端の生物学的治療法も臨床応用が進んでおり、これらは従来の対症療法や標準治療では治療困難とされてきた難治性の遺伝性疾患やがんに対する新しい治療戦略として期待されている。5
治療の選択にあたっては、臨床試験や科学的根拠(エビデンス)に基づいてその有効性と安全性が評価されなければならない。6 現代の医療においては、標準治療の確立が推進されるとともに、患者個々の遺伝子情報や体質、生活習慣に応じた個別化医療(プレシジョン・メディシン)の導入が進められており、より高い治療効果と副作用の軽減を両立させるための最適化が図られている。7
さらに、治癒が困難な進行期の疾患や慢性疾患においては、根治を目指す治療だけでなく、患者および家族のQOL(生活の質)の維持・向上を目的とした緩和ケアや支持療法が治療計画全体の中で極めて重要な位置を占めている。8
参考文献・出典
- 厚生労働省 標準病名マスター: https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/m2008/dl/byoumei_shikaku.pdf ↩
- 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 審査管理課: https://www.pmda.go.jp/files/000153835.pdf ↩1 ↩2
- 厚生労働省 医療施設調査: https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosetu/17/dl/02.pdf ↩
- 国立がん研究センター がん情報サービス: https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/radiation/index.html ↩
- 厚生労働省 再生医療等について: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/saisei_iryou/index.html ↩
- 厚生労働省 治験のページ: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/chiken/index.html ↩
- 厚生労働省 健康・医療: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/index.html ↩
- 国立がん研究センター がん情報サービス: https://ganjoho.jp/public/dia_tre/palliative_care/index.html ↩