HEALTH WORDS / 用語解説
結合親和性
Binding affinity
結合親和性とは、2つ以上の分子が相互に結合する際の、その引き合う強さや結びつきやすさの度合いを指す生化学および薬理学上の指標である。1
生体内における分子レベルの相互作用の多くは可逆的なものであり、リガンドと呼ばれる小さな分子や薬物が、受容体や酵素といった特定のタンパク質の結合部位に結合することによって生じる。2
結合親和性の高低は、その分子同士がどれほど安定して結合していられるかを決定づける重要な要素である。
結合親和性が高い分子同士は、たとえ溶液中での濃度が低い状態であっても、互いに強く引き合って速やかに結合を形成する性質を持つ。
一方で結合親和性が低い場合には、両者の結びつきが弱く、短時間で解離してしまうため、結合状態を維持するには高濃度のリガンドが必要となることが多い。
薬理学の分野において、結合親和性は薬物の有効性や効力を予測するための基本的なパラメータとして広く利用されている。1
医薬品として開発される化学物質は、標的とする受容体に対して高い結合親和性と特異性を持つことが求められ、これにより少ない投与量でも確実な薬効を発揮しつつ、意図しない副作用の原因となる他の受容体への結合を最小限に抑えることが可能となる。
結合親和性を定量的に評価するためには、解離定数であるKd値や阻害定数であるKi値などの定数が一般的に用いられる。1
これらの定数の値が小さければ小さいほど、その分子間の結合親和性は高いと判断され、強固な結合関係にあることを示している。
実験室レベルの解析においては、表面プラズモン共鳴法や放射性同位元素を用いたリガンド結合アッセイなどの多様な生化学的手法が活用され、分子間の相互作用や結合親和性が精密に測定されている。2
参考文献・出典
- J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200906059286427389 ↩1 ↩2 ↩3
- 国立国会図書館インターネット資料収集事業: https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11293322/www.nihs.go.jp/ICHS/ich-guidelines/q/q6b/q6b_j.html ↩1 ↩2