HEALTH WORDS / 用語解説
酵素
enzyme
生体内における酵素とは、化学変化において触媒の働きをするタンパク質を指す。生体触媒とも呼ばれる。
触媒はそれ自身は変化せず、他の物質の化学反応を促進する。具体的には、化学反応に必要なエネルギー(活性化エネルギー)を下げて、反応の速さを数百万~数億倍にする。
食品の発酵も酵素の働きによるものであり、酵母(ギリシャ語では zyme)の中(ギリシャ語では en)で発酵が起きることから酵素(enzyme)と名付けられた。1
酵素の中には、他の酵素と結合して複合体として働くものもある。例えばクエン酸回路に関わる酵素がある。2
酵素はタンパク質であるため、熱や酸、塩基(アルカリ)などによって変性を受ける。したがって、酵素が働くための最適な温度(至適温度)やpH(至適pH)がある。
食品によって酵素を摂取しても他のタンパク質と同様にアミノ酸まで分解されるため、そのまま酵素が吸収されることはない。3
酵素の働きによって変化を受ける物質を基質と呼ぶ。酵素は特定の化合物または特定の反応だけを触媒する。この性質を酵素の基質特異性という。
ミカエリス・メンテン式によって酵素の働きの強さを推定できる。
酵素の種類45
各酵素には、酵素反応の種類によって固有のEC番号(enzyme commission number)が付けられる。6
- 酸化還元酵素(オキシドレダクターゼ、EC第1群)
- 転移酵素(トランスフェラーゼ、EC第2群)
- 加水分解酵素(ヒドロラーゼ、EC第3群)
- 脱離酵素(リアーゼ、EC第4群)
- 異性化酵素(イソメラーゼ、EC第5群)
- 合成酵素(リガーゼ、EC第6群)
また、酵素による分解のされ方によって以下の2つのタイプに分類される。
酵素の種類によっては、タンパク質の部分だけでは働かず、タンパク質やアミノ酸以外の物質(補助因子)を必要とするものがある。
この補助因子(補酵素)が結合する酵素のタンパク質の部分をアポ酵素、アポ酵素が補助因子と結合した状態をホロ酵素と呼ぶ。
酵素の阻害形式7
参考文献・出典
- 福岡大学 理学部 機能生物化学研究室 生化学の基礎 酵素の化学: http://www.sc.fukuoka-u.ac.jp/~bc1/Biochem/biochem5.htm ↩
- GABA合成酵素グルタミン酸デカルボキシラーゼの発現場所での役割分担: https://seikagaku.jbsoc.or.jp/10.14952/SEIKAGAKU.2015.870333/data/index.html ↩
- 技術評論社 石浦章一 タンパク質はすごい! 心と体の健康を作るタンパク質の秘密(2014/1/5) ↩
- 大阪府堺市 羽衣国際大学 酵素とは: http://www.hagoromo.ac.jp/o.php?f=/arti_files/%8Dy%91f.ppt ↩
- 福岡大学 生物化学:生化学:講義資料 酵素: http://www.sc.fukuoka-u.ac.jp/~bc1/Biochem/pdf/sc_enzyme.pdf ↩
- 京都大学 小寺正明 酵素反応分類アルゴリズムの開発とゲノムスケール解析への応用:https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/145134/1/yrigk02926.pdf ↩
- 福岡大学 理学部 機能生物科学研究室 酵素の化学: http://www.sc.fukuoka-u.ac.jp/~bc1/Biochem/biochem5.htm ↩