HEALTH WORDS / 用語解説
Dhh
Desert hedgehog signaling molecule
Dhhとは、ヘッジホッグファミリーに属するタンパク質であり、哺乳類における3つのヘッジホッグ遺伝子(Sonic hedgehog、Indian hedgehog、Desert hedgehog)の1つである。1
Dhhは脊椎動物の発生や成体における生殖細胞の分化、神経系の形成などにおいて重要な役割を果たしているリガンドである。2
分子生物学的には、Dhhは他のヘッジホッグファミリーと同様に、前駆体タンパク質としての合成後に自己切断と脂質修飾(パルミトイル化およびコレステロール付加)を受け、活性型のシグナル伝達物質として細胞外へ分泌される。1
分泌されたDhhは、受容体であるパッチト(Patched)に結合することでシグナル伝達経路を活性化し、下流の転写因子であるGLIファミリーを介して標的遺伝子の発現を調節する。2
ヒトおよびマウスの生理機能において、Dhhは特に精巣の発生および精子形成の維持に不可欠である。1
精巣内では、Dhhはセルトリ細胞によって発現され、隣接するライディッヒ細胞(間細胞)の分化やテストステロンの産生を制御するシグナルを送る役割を担っている。2
そのため、Dhhの遺伝子異常や機能欠損は、性分化疾患や不妊症、特に精子形成障害を引き起こす原因となることが知られている。1
また、生殖系以外にも、Dhhは末梢神経系のシュワン細胞の発現や神経外膜の形成にも関与しており、神経機能の維持にも寄与している。2
参考文献・出典
- National Center for Biotechnology Information: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/50846 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
- UniProt: https://www.uniprot.org/uniprotkb/O43323/entry ↩1 ↩2 ↩3 ↩4