HEALTH WORDS / 用語解説
TRPM3
Transient receptor potential melastatin 3
TRPM3とは、一過性受容体電位(TRP)チャネルファミリーのメランスタチンサブファミリーに属する、カチオンチャネルの一つである。1
TRPM3遺伝子はヒトでは染色体9q21.13に位置しており、神経系や膵臓、腎臓など様々な組織において発現している。2
このチャネルは主として非選択性の陽イオン透過性チャネルとして機能し、カルシウムイオンの細胞内流入を媒介する重要な役割を担っている。3
TRPM3は温度感受性チャネルの一つとしても知られており、特に熱刺激によって活性化されることが生理学的研究によって明らかにされている。4
また、内因性のステロイドであるプレグネノロン硫酸塩などの化学物質によっても強力に活性化される特性を持つ。5
侵害受容ニューロンにおけるTRPM3の活性化は、痛覚信号の伝達や炎症性の疼痛発現に深く関与していることが示されている。6
近年の遺伝学的および臨床医学的研究においては、TRPM3遺伝子の変異が、発達性のてんかん性脳症やその他の重篤な神経疾患の発症に関連していることが報告されている。7
さらに、血管平滑筋や免疫系の細胞における機能解析も進められており、多様な生体反応への関与が注目されている。8
このようにTRPM3は、感覚受容、細胞内シグナル伝達、および病態生理学的メカニズムを解明する上で極めて重要な分子標的の一つである。3
参考文献・出典
- NCBI Gene: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/80036 ↩
- Genatlas: https://www.genatlas.org/ ↩
- IUPHAR/BPS Guide to Pharmacology: https://www.guidetopharmacology.org/GRAC/ObjectDisplayForward?objectId=2909 ↩1 ↩2
- PubMed: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21373059/ ↩
- PubMed: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15545620/ ↩
- PubMed: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24336214/ ↩
- PubMed: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28575667/ ↩
- PubMed: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31150493/ ↩