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HEALTH WORDS / 用語解説

WAIS-R

WAIS-R(Wechsler Adult Intelligence Scale-Revised)とは、David Wechslerによって開発されたウェクスラー式知能検査の成人用尺度である「WAIS」の改訂版であり、成人の知能を測定するための臨床用心理検査である12。

本検査は、成人期における知能の構造を多角的に評価することを目的として設計されており、単一の知能指数(IQ)だけでなく、言語性知能と動作性知能という異なる側面からの評価を可能にしている点が大きな特徴である12。

WAIS-Rの検査構成は、大きく言語性検査と動作性検査の2つに大別され、それぞれ複数の下位検査によって構成されている12。

言語性検査には、知識、理解、算数、類似、語音、数唱などの下位検査が含まれており、言葉を用いた思考力や聴覚的な記憶、過去に獲得した学習の成果などを測定する指標となる12。

一方、動作性検査には、絵画完成、符号、ブロックデザイン(積木模様)、物体欧文(物体配置)、組合せなどの下位検査が含まれており、視覚的な情報処理能力、空間認識能力、手と目の協応動作、非言語的な問題解決能力などを評価する指標となる12。

これらの下位検査の得点を集計することにより、言語性知能指数(VIQ)、動作性知能指数(PIQ)、およびそれらを統合した全検査知能指数(FIQ)という3つの知能指数が算出される仕組みとなっている12。

WAIS-Rは臨床心理学や精神医学の領域において広く用いられており、個人の認知特性や知的機能の偏りを詳細に把握するために活用されてきた12。

例えば、脳損傷や認知症などの高次脳機能障害が疑われる事例において、言語性知能と動作性知能の間に顕著な解離(ギャップ)が見られるかどうかを確認することは、診断やリハビリテーションの計画を立案する上で重要な情報となる12。

また、発達障害の特性評価や、成人の知的障害の判定、さらには心理学的査定の一環としても重要な役割を担ってきた歴史がある12。

なお、知能検査の標準化データは時代や言語文化圏によって変化するため、WAIS-Rの実施にあたっては、日本の言語文化圏向けに標準化された検査用具および手順を用いる必要がある点に留意が求められる12。

その後、時代の変遷や心理測定学の進歩に伴い、さらに改訂が重ねられた後継版(WAIS-IIIやWAIS-IVなど)が開発・普及しているが、WAIS-Rは成人の知能評価の基礎を築いた重要な尺度の一つとして学術的にも高く評価されている12。

参考文献・出典

  1. 厚生労働省 e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-074.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11
  2. J-STAGE: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjdp1981/10/2/10_2_105/_pdf ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11