HEALTH WORDS / 用語解説
クモ膜顆粒
arachnoid granulation
クモ膜顆粒とは、脳および脊髄を包む髄膜の中層であるクモ膜が、硬膜の静脈洞内に突出した小さな突起状の構造物である。1
クモ膜顆粒は成人において肉眼でも確認できる大きさの突起であり、多数集まってクモ膜小顆粒やパーキオン顆粒(Pacchionian bodies)と呼ばれる構造を形成することが多い。2
クモ膜顆粒の最も重要な生理学的機能は、脳脊髄液を静脈血中へと吸収・還流させることである。1
脳室の脈絡叢などで産生された脳脊髄液は、クモ膜下腔を循環した後にクモ膜顆粒を介して硬膜静脈洞(特に上矢状静脈洞)へと移動し、最終的に体循環へ戻る仕組みになっている。2
この脳脊髄液の吸収経路は、頭蓋内圧を正常な範囲に調節・維持する上で極めて重要な役割を果たしている。1
組織学的には、クモ膜顆粒の内部にはクモ膜下腔と連続する細胞外空間が存在し、その周囲は内皮細胞およびクモ膜由来の細胞層によって覆われている。2
加齢や体質に伴い、クモ膜顆粒は周囲の頭蓋骨や硬膜を圧迫して圧痕(顆粒窩)を形成することがあり、これは頭部の画像診断や法医学的解剖においてしばしば観察される所見である。2
参考文献・出典
- 解剖学用語: https://www.jasao.jp/koho/jpnterms/i-z.html ↩1 ↩2 ↩3
- 南山堂 医学大辞典: https://www.nanzando.com/ ↩1 ↩2 ↩3 ↩4