ホームシトクロムb6f

HEALTH WORDS / 用語解説

シトクロムb6f

Cytochrome b6f complex

シトクロムb6fとは、緑色植物、藻類、およびシアノバクテリアの光合成における電子伝達系において、光化学系IIと光化学系Iの間に位置して電子を仲介する膜タンパク質複合体である。1

シトクロムb6f複合体は、チラコイド膜に埋め込まれて存在している多量体の酵素であり、プラストキノールからプラスチシアニンまたはシトクロムc6への電子移動を触媒する。2

この電子伝達の過程に伴い、ストロマ側からチラコイド膜の内腔側(ルーメン側)へとプロトンを能動的に輸送するプロトンポンプとしての機能も有している。2

シトクロムb6f複合体を介したプロトンの輸送および蓄積によって、チラコイド膜を挟んだプロトン濃度勾配(電気化学的勾配)が形成され、これがATP合成酵素を駆動してATPの産生を引き起こす。2

構造的には、ミトコンドリアの呼吸鎖に存在するシトクロムbc1複合体(複合体III)と機能的および進化的に類似しているが、サブユニットの構成や補因子の種類においていくつかの重要な相違点が存在する。1

シトクロムb6fは、光合成電子伝達の速度を調節する律速段階の一つとしても知られており、植物の環境適応や光阻害からの防御メカニズムにおいて重要な役割を担っている。1

参考文献・出典

  1. J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201007011929314488 ↩1 ↩2 ↩3
  2. J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200907023348123282 ↩1 ↩2 ↩3