HEALTH WORDS / 用語解説
トラベクロトミー
Trabeculotomy
トラベクロトミーとは、緑内障の治療において、房水の流出路である線維柱帯を切開し、眼圧を下げることを目的として行われる手術の手技の一つである。1
眼球の内部では毛様体から房水という液体が産生され、これが栄養を供給したのちに隅角に存在する線維柱帯およびシュレム管を通って眼外へ排出されることで一定の眼圧が保たれている。1 しかし、何らかの原因でこの房水の流出路に抵抗が生じると、眼圧が上昇して視神経が障害され、視野狭窄などの緑内障特有の症状を引き起こすこととなる。1 トラベクロトミーは、この抵抗の主座となっている線維柱帯を手術的に切開または線維切開(ロトミー)することで、房水がシュレム管へ流入しやすように経路を再建し、眼圧を下降させる術式である。2
本手術は、原発開放隅角緑内障や発達緑内障(先天緑内障)などの治療適応となることが多い。2 特に小児の発達緑内障においては、第一選択となる重要な外科治療の位置づけを占めている。1 成人の開放隅角緑内障に対しても、濾過胞の管理が必要となるトラベクレクトミーと比較して、術後の眼内炎といった重篤な合併症のリスクが比較的低い術式として選択されることがある。1
手術アプローチとしては、強膜にフラップを作成してシュレム管を露出させ、そこから専用の器具(トラベクロトームなど)をシュレム管内に挿入して線維柱帯を内側に切開する線維柱帯切開術が伝統的に行われてきた。2 近年では、マイクロカテーテルを用いた360度トラベクロトミーや、眼内から線維柱帯を切開する涙点・涙小管以外のアプローチなど、技術の進歩に伴い様々な改良術式が開発され臨床に応用されている。1 これにより、より広範囲の線維柱帯を確実かつ低侵襲に切開することが可能になりつつある。1