HEALTH WORDS / 用語解説
フィードバック機構
Feedback mechanism
フィードバック機構とは、生体内における恒常性(ホメオスタシス)を維持するために、ある生体反応の結果が再びその反応の系を制御する仕組みのことである。1
生物の体温、血糖値、血圧、ホルモン濃度などの生体内環境は常に変動要因にさらされているが、フィードバック機構が働くことによって一定の範囲内に保たれている。2
フィードバック機構には大きく分けてネガティブフィードバックとポジティブフィードバックの2つの様式が存在している。2
多くの生体防御や代謝調節において中心的な役割を果たすのはネガティブフィードバック(負のフィードバック)である。1
ネガティブフィードバックとは、生体内の変化を受容器が感知し、その変化を打ち消す方向、すなわち元の状態に戻す方向へ効果器が作用する仕組みを指す。2
例えば、内分泌系におけるホルモン分泌の調節においては、下位の内分泌腺から分泌されたホルモンの血中濃度が上昇すると、それが上位の中枢神経系や下垂体に作用して、当該ホルモンを促進する因子の分泌を抑制する回路が形成される。1
これにより、ホルモンの過剰分泌を防ぎ、血中濃度を適切な範囲に安定させることが可能となる。2
これに対して、ポジティブフィードバック(正のフィードバック)は、ある生体反応の結果が、さらにその反応を促進する方向へ作用する仕組みである。1
ポジティブフィードバックは恒常性の維持そのものというよりも、生体内における特定の生体的イベントを迅速かつ強力に完遂させるために用いられることが多い。3
代表的な例としては、分娩時における子宮収縮とオキシトシンの分泌、あるいは血液凝固における凝固因子の連鎖的な活性化などが挙げられる。2
このように、フィードバック機構は神経系や内分泌系、免疫系などの多様な生体システムにおいて統合的に機能している。1
生体はこれらの複雑な情報伝達路と調節回路を網羅的に利用することで、内外の環境変化に適応しながら生命活動を維持しているのである。2
参考文献・出典
- e-Gov法令検索: https://laws.e-gov.go.jp/ ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
- 厚生労働省 e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ye-077.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6
- 厚生労働省 e-Gov: https://laws.e-gov.go.jp/ ↩