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HEALTH WORDS / 用語解説

フォリスタチン

Follistatin

フォリスタチンとは、アクチビンをはじめとするTGF-beta|TGF-βスーパーファミリーのタンパク質に特異的に結合してその受容体への結合を中和し、そのシグナル伝達を阻害する分泌タンパク質である。1

フォリスタチンは、下垂体前葉からの卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌を抑制する生理活性物質として、当初は卵胞液中から発見・単離された。2

その後、フォリスタチンはアクチビンに対する強力なアンタゴニストとして機能することが明らかにされ、生殖系の制御のみならず、胚発生、細胞分化、組織修復、代謝など、多岐にわたる生物学的プロセスにおいて重要な役割を担っていることが示されている。1

近年の研究により、フォリスタチンはアクチビンだけでなくミオスタチンとも結合し、その作用を阻害することが解明されている。1

ミオスタチンは骨格筋の肥大や過剰な筋成長を負に制御する因子であるため、フォリスタチンがミオスタチンの働きを阻害することにより、結果として強力な筋肥大作用や筋肉量の増加をもたらすことが見出されている。1

この筋萎縮抑制効果や筋再生促進効果の観点から、フォリスタチンおよびそのシグナル伝達系を標的とした研究は、筋ジストロフィーなどの筋疾患に対する新規治療法の開発において大きな期待を集めている。1

また、代謝機能の改善やインスリン感受性への関与についても研究が進められており、糖尿病などの代謝疾患に対する治療薬としての応用可能性も模索されている。2

フォリスタチンは遺伝子の選択的スプライシングなどにより複数のアイソフォームが存在し、それぞれで細胞外マトリックスへの親和性や組織内での分布、生物学的活性の強さが異なることが知られている。1

このように、フォリスタチンは内分泌学、発生生物学、筋肉の生理学といった幅広い医学・生物学分野において中心的な役割を果たすタンパク質として、現在も盛んに研究が行われている。2

参考文献・出典

  1. 国立研究開発法人 科学技術振興機構: https://www.jst.go.jp/pr/announce/20120117/index.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6
  2. J-STAGE: https://www.jstage.jst.go.jp/article/faruchem/47/9/47_886/_pdf ↩1 ↩2 ↩3