HEALTH WORDS / 用語解説
筋成長
Muscle hypertrophy
筋成長とは、骨格筋を構成する筋繊維の肥大化に伴い、筋肉の体積や質量が増大する生理学的プロセスである。1
生体の骨格筋は、レジスタンス運動をはじめとする持続的かつ適切な物理的ストレスや、栄養摂取などの環境要因に応じて、その形態や機能を適応的に変化させる高い可塑性を有している。2
筋成長の主なメカニズムとしては、機械的張力の受容を起点とするmTORC1(哺乳類ラパマイシン標的タンパク質複合体1)シグナル伝達経路の活性化が深く関与している。3
レジスタンス運動等によって筋繊維に強い機械的張力やメカニカルストレスが加わると、細胞内でのタンパク質合成速度がタンパク質分解速度を上回る状態が誘導される。2
このタンパク質合成の亢進は、筋原繊維を構成するアクチンやミオシンなどの筋タンパク質の蓄積を促し、結果として個々の筋繊維の断面積を拡大させることにつながる。1
また、筋成長の過程においては、筋線維の周辺に存在するサテライト細胞(衛星細胞)の活性化と増殖、および筋核の供与が重要な役割を果たしていると考えられている。2
筋損傷や運動刺激に伴ってサテライト細胞が活性化すると、これらは増殖したのちに既存の筋繊維と融合し、筋核数が増加することで、より大規模なタンパク質合成を維持するための遺伝子発現基盤が強化される。2
このような細胞レベルでの適応反応は、適切な負荷管理、休息、およびアミノ酸やタンパク質を中心とした栄養補給を継続的に行うことで最適化され、筋力の向上や身体組成の改善をもたらす基盤となる。1