HEALTH WORDS / 用語解説
プロカスパーゼ-8
Procaspase-8
プロカスパーゼ-8とは、細胞死(アポトーシス)の実行に関与するシステインプロテアーゼであるカスパーゼ-8の不活性型前駆体である。1
プロカスパーゼ-8は、通常は酵素活性を持たない不活性なチモゲン(前期体)として細胞質内に存在している。2
外因性アポトーシス経路において、死亡受容体(Fas受容体やTNFR1など)が特定のリガンドによって刺激されると、細胞内に死亡誘導シグナル複合体(DISC)と呼ばれるタンパク質複合体が形成される。2
このDISCの形成に伴い、プロカスパーゼ-8が複合体にリクルートされ、高濃度に集積することで近接誘導モデルに基づいた自己触媒的な切断および活性化が引き起こされる。2
活性化したカスパーゼ-8は、下流に位置するエフェクターカスパーゼであるカスパーゼ-3などを直接切断・活性化し、アポトーシスのシグナルカスケードを強力に進行させる。2
また、プロカスパーゼ-8の活性化経路は、ミトコンドリアを介する内因性アポトーシス経路ともクロストークしており、Bidタンパク質を切断してtBidとすることでミトコンドリア外膜透過性の亢進を誘導する役割も担っている。2
このように、プロカスパーゼ-8は生体の恒常性維持や不要な細胞の排除、さらには免疫応答やウイルス感染に対する防御機構において中心的な役割を果たしている重要な分子である。1
参考文献・出典
- 遺伝子疾患情報リスト: https://lifesci.dbcls.jp/ko-ko-mi/gene/CASP8.html ↩1 ↩2
- An Atlas of Human Diseases: https://lifesci.dbcls.jp/ko-ko-mi/disease/HSA04210.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5