HEALTH WORDS / 用語解説
カスパーゼ-8
Caspase-8
カスパーゼ-8とは、アポトーシスの実行に関与するシステインプロテアーゼファミリーの一種であるカスパーゼである12。
システインプロテアーゼの一種として、標的タンパク質の特定のアミノ酸残基を切断する酵素活性を持ち、主に細胞のプログラムされた細胞死であるアポトーシスのシグナル伝達において中心的な役割を果たしている12。
細胞外からのアポトーシス誘導シグナルを受容するデス受容体を介した外因性アポトーシス経路において、初期段階で活性化されるイニシエーターカスパーゼとして機能する12。
細胞膜上のデス受容体(Fas受容体やTNF受容体など)にリガンドが結合すると、受容体の細胞内ドメインにアダプター分子であるFADDなどを介して不活性型前駆体であるプロカスパーゼ-8がリクルートされる12。
この受容体近傍の複合体(死誘導シグナル複合体: DISC)において、プロカスパーゼ-8同士が近接することで自己触媒的な切断を受け、活性型へと変換される12。
活性化したカスパーゼ-8は、下流でアポトーシスの直接的な執行を担うエフェクターカスパーゼであるカスパーゼ-3やカスパーゼ-7を直接切断して活性化させ、細胞死のカスケードを進行させる12。
また、一部の細胞種(II型細胞)においては、カスパーゼ-8がBcl-2ファミリータンパク質であるBidを切断し、tBidを生成することで、ミトコンドリア外膜の透過性を亢進させ内因性アポトーシス経路へとシグナルを架橋する役割も担っている12。
さらに近年の研究では、カスパーゼ-8はアポトーシスの誘導だけでなく、ネクロトーシスと呼ばれる別の細胞死経路の負の制御因子としても働き、RIPK1やRIPK3を切断して不活化することで過剰な炎症や予期せぬ細胞死を抑制していることが明らかにされている12。