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HEALTH WORDS / 用語解説

喉頭隆起

Laryngeal prominence

喉頭隆起とは、ヒトの頸部前中央部において皮膚の上からでも確認できる、甲状軟骨の前縁が突出した部位の通称である。1

男性においてより目立つ傾向があり、一般には「喉仏」とも呼ばれる。2

喉頭を構成する軟骨のうち最大のものである甲状軟骨は、左右の板が前縁で正中線上に鋭角に結合している。3

この甲状軟骨板が前方で交わる角度は、性差や個人差によって異なる。2

成人男性の場合はおよそ90度と比較的鋭く交わることが多いため、前方の突出が顕著になる。2

一方で、成人女性や思春期前の小児においては、この結合角度がおよそ120度と比較的緩やかであるため、皮膚の表面から突出部として明瞭に認められることは少ない。2

ヒトの個体発生の過程において、喉頭隆起を含む甲状軟骨などの頸部の構造物は、咽頭弓に由来して発生および分化する。2

胎児期から小児期にかけては、男児と女児の間で甲状軟骨の形態的な差異はさほど大きくない。2

しかし、思春期に入ると男性ホルモンであるアンドロゲンの分泌量が増加する影響を受けて、喉頭全体の急激な発育が引き起こされる。2

この二次性徴としての喉頭の急成長に伴い、甲状軟骨の前部が前方および下方へ向けて大きく突き出すように発達するため、男性特有の目立った喉頭隆起が形成されることとなる。2

この思春期における喉頭の急激な肥大化は、内部に位置する声帯の長さを引き延ばす原因ともなる。2

声帯が長くなりかつ厚みを増すことで、発声時の振動数が低下し、音声が低くなる変声期の現象が引き起こされる。2

このように、喉頭隆起の発達は音声の低音化をもたらす喉頭の構造的変化と密接に関連している。2

解剖学的な位置関係として、喉頭隆起を形成する甲状軟骨の上縁には上甲状切痕と呼ばれる浅い凹みが存在しており、そのすぐ上方には舌骨が位置している。1

また、臨床医学や耳鼻咽喉科学の領域においては、気管切開術や甲状軟骨形成術などの外科手術を行う際の重要な体表の目印として喉頭隆起が利用されることがある。2

美容整形外科などにおいては、喉頭隆起の過度な突出を小さく整える手術として、甲状軟骨削り術(軟骨削り)が行われる場合もある。2

参考文献・出典

  1. 解剖学用語検索: https://www.AnatomicalTerms.info/ja/terms/laryngeal-prominence-2/ ↩1 ↩2
  2. 慶應医学: https://koara.lib.keio.ac.jp/xoonips/modules/xoonips/detail.php?koara_id=AN00069685-20150331-0163 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9 ↩10 ↩11 ↩12 ↩13
  3. 職場のあんぜんサイト:厚生労働省: https://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo18_1.html ↩