HEALTH WORDS / 用語解説
明細胞がん
Clear cell carcinoma
明細胞がたことは、組織学的に細胞質が豊富でグリコーゲンの蓄積などにより光学顕微鏡下で細胞質が透明または明瞭な空胞状に見える特徴を持つ悪性腫瘍の総称である。1 卵巣、子宮体部、腎臓などの臓器をはじめ、消化管や唾液腺など多様な部位に発生することが知られている。2
卵巣がんにおける明細胞がんは、上皮性卵巣がんの主要な組織型の一つであり、他の組織型と比較して子宮内膜症との強い疫学的関連性が指摘されている。1 日本人を含むアジア圏の女性において比較的頻度が高く観察される傾向があり、臨床的には白金製剤を中心とした通常の化学療法に対する感受性が低い場合が多いことが特徴として挙げられる。1 そのため、難治性の腫瘍として扱われることが多く、早期発見や分子標的薬を用いた新規治療戦略の開発が盛んに研究されている。2
腎臓における明細胞がんは、腎細胞がんの中で最も一般的な組織型である淡明細胞型腎細胞がんを指すことが多い。1 この腎癌の多くは、VHL遺伝子の異常やそれに伴う低酸素誘導因子の活性化が発がんの分子メカニズムの中心にあることが解明されている。2 血管新生が非常に旺盛な腫瘍であるため、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬を用いた薬物療法の効果が期待される疾患である。1