HEALTH WORDS / 用語解説
神経心理学的検査
Neuropsychological testing
神経心理学的検査とは、脳の損傷や疾患、あるいは発達上の問題に起因する高次脳機能障害の特性や程度を評価するために用いられる一連の心理検査および行動評価法である。1
神経心理学的検査は、言語機能、記憶、注意、遂行機能、知能、視空間認知といった多様な認知機能を多角的に測定することを目的として実施される。2 これにより、脳損傷の局在診断や認知症の早期発見、病態の鑑別診断だけでなく、患者のリハビリテーション計画の立案や予後予測、社会的適応能力の評価においても重要な役割を果たしている。1
検査の主な手法としては、標準化された知能検査や記憶検査、特定の認知ドメインに特化した個別課題などが挙げられる。 代表的なものには、全般的な認知機能や精神状態をスクリーニングするための長谷川式簡易知能評価スケールやMMSE(Mini-Mental State Examination)などの簡易検査がある。1 さらに、より詳細な高次脳機能障害を評価するためには、ウェクスラー知能検査(WAISなど)や、論理的記憶および視覚的記憶を評価するウェクスラー記憶検査(WMS-R)、注意機能を測定するTMT(Trail Making Test)やCPT(持続的注意検査)、前頭葉機能を評価するWCST(Wisconsin Card Sorting Test)などが用いられる。2
神経心理学的検査の実施にあたっては、被検者の年齢、教育歴、文化的背景、言語能力、そして検査時の身体的・精神的状態(抑うつや疲労など)が結果に大きな影響を与えることを十分に考慮する必要がある。1 そのため、単一の検査結果のみで診断を下すのではなく、脳画像検査(MRIやCTなど)や臨床症状、日常生活動作(ADL)の評価などと総合的に組み合わせて解釈することが不可欠である。2
参考文献・出典
- 厚生労働省e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-03-005.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
- 国立国会図書館リサーチ・ナビ: https://rnavi.ndl.go.jp/jp/minidet/sw_k030.html ↩1 ↩2 ↩3