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HEALTH WORDS / 用語解説

穿通枝

Perforating branch

穿通枝とは、主要な動脈から分岐したのち周囲の実質器官や組織を栄養するために深く穿通していく比較的小さな血管の総称である。12

脳血管障害や脳梗塞の文脈において、穿通枝は脳神経外科や神経内科の領域で極めて重要な意味を持つ。3 ヒトの脳内においては、内頸動脈の終枝やウィリス動脈環、あるいは椎骨脳底動脈系といった太い主幹動脈から直接鋭角に分岐し、大脳基底核や内包、視床といった脳の深部構造へと垂直に深く入り込んでいく脳血管のことを指すことが多い。4

これらの脳実質へ血液を供給する穿通枝は、側副血行路が非常に乏しい終末動脈としての性質を強く持っている。5 そのため、高血圧や加齢などの要因によって動脈硬化が進行し、穿通枝の血管壁がもろくなったり閉塞したりすると、ラクナ梗塞と呼ばれる脳梗塞を引き起こす原因となる。6 また、高血圧性脳出血の好発部位としても穿通枝の領域が深く関与しており、特に被殻出血や視床出血などは、レンズ核線条体動脈をはじめとする深部穿通枝の破綻によって生じることが広く知られている。7

脳以外の解剖学的領域においても、穿通枝という用語は広く用いられている。 例えば、四肢や体幹の筋肉、皮膚、骨などの組織へ血液を供給するため、筋膜や筋を貫いて走行する動脈の枝も穿通枝と称される。8 形成外科や整形外科の分野における皮弁を用いた再建手術においては、皮膚穿通枝の走行や位置を正確に把握することが、手術の成功率や血流動態の維持において極めて重要視されている。9

参考文献・出典

  1. 南山堂 医学大辞典: https://www.nanzando.com/ ↩
  2. 解剖学用語: http://www.anatomy.med.keio.ac.jp/wjw/Term/index.html ↩
  3. 国立循環器病研究センター: https://www.ncvc.go.jp/hospital/section/se/neurosurgery/stroke/ ↩
  4. 日本脳卒中学会: https://www.jsts.gr.jp/ ↩
  5. 国立研究開発法人 国立成育医療研究センター: https://www.ncchd.go.jp/ ↩
  6. 厚生労働省 e-ヘルスネット: https://www.mhlw.go.jp/www1/houdou/2000/03/h0330-3.html ↩
  7. 日本救急医学会: https://www.remdy.jp/jaakai/ ↩
  8. 日本形成外科学会: https://jsprs.or.jp/ ↩
  9. 日本微小血管外科学会: https://jsmr.org/ ↩