HEALTH WORDS / 用語解説
陣痛促進
Labor induction
陣痛促進とは、自然陣痛の発来を待たずに、何らかの医学的理由により人工的に子宮収縮を誘発し、分娩を進める医療行為である。1 母体または胎児の健康状態が悪化した場合や、妊娠継続が母児にとって危険と判断される場合に実施される。2
陣痛促進の主な適応としては、予定超過妊娠(過期妊娠)、前期破水、妊娠高血圧症候群、胎児機能不全、母体合併症の悪化などが挙げられる。1 実施にあたっては、事前に胎児心拍数陣痛図を用いて胎児の健康状態や子宮頸管の熟度を入念に評価する必要がある。2 子宮頸管が未熟な状態である場合には、ラミナリア桿などの機械的拡張法やプロスタグランジン製剤を用いて頸管の熟化を促す処置が先行して行われることが多い。1
子宮頸管の熟化が確認された後、あるいは並行して、子宮収縮薬であるオキシトシンやプロスタグランジンの点滴静脈注射により陣痛を誘発・増強させる。1 薬剤の投与量は母体の子宮収縮の頻度や強度、および胎児心拍数の変動をモニタリングしながら慎重に調節される。2
陣痛促進の大きなリスクの一つに、過強陣痛に起因する子宮破裂や胎児機能不全がある。1 過強陣痛が発生した場合には、子宮収縮薬の投与速度の減速あるいは中止、さらには子宮収縮抑制薬の投与などの緊急対応が求められる。2 また、陣痛促進を行っても分娩に至らない場合や胎児の状態悪化が認められる場合には、帝王切開術へ移行することがある。1