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HEALTH WORDS / 用語解説

COCH

COCHとは、難聴の原因となるタンパク質であるコクレインをコードする遺伝子の名称である。1 ヒトのゲノムにおいて、COCH遺伝子は第14染色体の長腕(14q12-q13)に位置している。2

COCH遺伝子によって産生されるコクレインタンパク質は、主として内耳の組織に発現している。3 内耳は聴覚および平衡感覚をつかさどる重要な器官であり、コクレインは内耳の構造維持や機能において不可欠な役割を果たしていると考えられている。1 しかしながら、コクレインの正確な生化学的機能や詳細な分子機構については、いまだ解明されていない部分も多い。2

COCH遺伝子における変異は、遺伝性の聴覚障害を引き起こすことが知られている。3 特に、COCH遺伝子のミスセンス変異などは、常染色体優性遺伝形式をとる進行性の感音難聴および前庭障害を伴う疾患の原因となる。1 このような遺伝子変異に起因する疾患としては、DFNA9などが代表的なものとして挙げられる。2 DFNA9の患者においては、加齢とともに聴力が低下するだけでなく、めまいや平衡機能障害などの症状が認められることがある。3

COCH遺伝子変異によって異常なコクレインタンパク質が産生されると、それが内耳の細胞外マトリックスに蓄積し、神経や感覚細胞に悪影響を及ぼすと考えられている。1 この蓄積が内耳の組織変性を引き起こし、結果として難聴や平衡感覚の喪失につながると推測されている。3 現在でも、COCH遺伝子に関連する疾患の病態解明や、将来的な治療法の確立を目指した基礎研究および臨床研究が世界各地で進められている。2

参考文献・出典

  1. Genetics Home Reference: https://medlineplus.gov/genetics/gene/COCH/ ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
  2. NCBI Gene: https://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/1693 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
  3. National Library of Medicine: https://medlineplus.gov/genetics/gene/COCH/ ↩1 ↩2 ↩3 ↩4