ホームPACE

HEALTH WORDS / 用語解説

PACE

PACE

PACEとは、慢性疲労症候群(Myalgic Encephalomyelitis/Chronic Fatigue Syndrome、略称: ME/CFS)の治療法に関する臨床試験において中心となった、段階的運動療法(Graded Exercise Therapy、略称: GET)と認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy、略称: CBT)を評価した大規模な臨床試験の名称である。1 2

PACE試験(PACE trial)は、2011年に主要な論文が発表されて以来、ME/CFSに対する標準的な治療法の有効性を検証した最も影響力のある研究の一つとして広く知られている。1

この臨床試験では、従来の専門的医療ケアに加えて、段階的運動療法または認知行動療法を追加することが、疲労感や身体機能の改善にどの程度寄与するかが評価された。2

ME/CFSは、原因不明の激しい疲労が長期にわたって続き、休息によっても回復しない特徴を持つ複雑な疾患であり、日常生活に大きな障害をもたらす。1

PACE試験の結果において、段階的運動療法と認知行動療法は、標準的ケア単独と比較して、疲労の軽減や身体活動の向上において一定の効果があることが示された。2

しかしながら、このPACE試験およびその研究結果の解釈、特に運動療法の安全性や有効性については、患者コミュニティや一部の医学研究者の間で激しい論争の的となってきた。1

批判的な意見としては、運動療法がかえって症状を悪化させる「労作後倦怠感(Post-Exertional Malaise、略称: PEM)」を引き起こす危険性が指摘されており、ガイドラインの見直しを求める声が上がっている。2

近年の診療ガイドラインにおいては、患者個人の活動限界を超えるような無理な運動療法の推奨が除外される傾向にあり、PACE試験の評価をめぐる議論は現在も医学界において継続している。1

参考文献・出典

  1. PMC: https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7256569/ ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
  2. NHS Choices: https://www.nhs.uk/conditions/chronic-fatigue-syndrome-cfs/treatment/ ↩1 ↩2 ↩3 ↩4