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HEALTH WORDS / 用語解説

PDZ

PDZ domain

PDZとは、主としてタンパク質の相互作用を媒介する、およそ80〜90個のアミノ酸残基から構成される保存されたドメイン構造のことである。1

PDZという名称は、このドメインが最初に見出された3つのタンパク質、すなわちシナプス関連タンパク質であるPSD-95、細胞間隙結合タンパク質であるDlg(Discs large)、および上皮のタイトジャンクション(密着結合)構成成分であるZO-1の頭文字を組み合わせて名付けられたものである。2

細胞内においてPDZドメインは、特異的な標的タンパク質のカルボキシ末端(C末端)配列を認識して結合する機能を持つ。この相互作用により、タンパク質同士の複合体が形成され、シグナル伝達経路の構築、イオンチャネルや受容体の細胞膜上における適切な局在化、および細胞骨格と膜タンパク質との架橋など、多様な細胞内生理学的プロセスが制御される。3

神経細胞のシナプス領域においては、PSD-95などの多数のPDZドメインを持つタンパク質がグルタミン酸受容体などの膜受容体やチャネルを特定のシナプス後膜に集積させ、効率的な神経伝達を支える重要な足場タンパク質(スキャッフォールドタンパク質)として機能している。1

また、PDZドメインは単一のタンパク質内に1つだけ存在する場合だけでなく、複数個がタンデムに並んで存在する場合もあり、これにより複数の分子を同時に結合して巨大なタンパク質ネットワークやシグナル複合体を組み立てることが可能となっている。2

近年の構造生物学や生化学的研究により、PDZドメインとリガンドペプチドとの結合特異性や、その構造変化を伴う分子認識メカニズムの詳細が明らかにされつつあり、創薬標的としてのタンパク質間相互作用阻害の観点からも重要視されている。3

参考文献・出典

  1. 蛋白質構造データバンク: https://pdbj.org/mine/summary/2hep ↩1 ↩2
  2. NBDC生物学データベース統合化推進事業: https://integbio.jp/dbcatalog/record/nbdc01452 ↩1 ↩2
  3. PDBe: https://www.ebi.ac.uk/pdbe/entry/pdb/1bef ↩1 ↩2