HEALTH WORDS / 用語解説
PRC1
Protein Regulator of Cytokinesis 1
PRC1とは、有糸分裂および減数分裂における細胞質分裂の実行と紡錘体の形成に必須である微小管結合タンパク質の一種である。1
PRC1はProtein Regulator of Cytokinesis 1の略称であり、ヒトなどの真核生物において細胞周期の制御に深く関与している。2 本タンパク質は微小管と直接結合する性質を持ち、特に有糸分裂の後期から終期にかけて顕著な働きを示す。1
細胞分裂の過程において、PRC1は赤道面に位置する中心体由来の微小管同士を架橋し、中央紡錘体の形成を仲介する重要な役割を担う。1 これにより、細胞質分裂が正常に進行するための足場が提供され、染色体が均等に娘細胞へと分配されるプロセスが物理的および空間的に制御される。2
分子レベルでの機能としては、PRC1はリン酸化や脱リン酸化といった翻訳後修飾によってその活性や局在が厳密にコントロールされている。サイクリン依存性キナーゼなどのキナーゼによるリン酸化を受けることで、細胞周期の特定の時期以前における不必要な微小管架橋が抑制されている。2 その後、適切な時期に脱リン酸化されることで活性化し、標的となる微小管の束化を効率的に引き起こす。1
このように、PRC1は細胞分裂の正確性を担保するマスターレギュレーターの一つとして位置づけられており、その機能不全は細胞質分裂の失敗や異数性の誘導につながるため、癌をはじめとする様々な疾患の病態解明や分子標的薬の探索においても重要な研究対象となっている。2
参考文献・出典
- Protein Data Bank Japan: https://pdbj.org/mine/summary/2qsp ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
- 蛋白質構造データバンク: https://pdbj.org/eMPo/summary/2qsp ↩1 ↩2 ↩3 ↩4