HEALTH WORDS / 用語解説
アレキサンダー病
Alexander disease
アレキサンダー病とは、アストロサイトにグリア線維性酸性タンパク質(GFAP)が異常蓄積することによって引き起こされる、極めて稀な進行性の神経変性疾患である。1
本疾患は、原因遺伝子であるGFAP遺伝子の突然変異によって発症することが明らかにされている。1
GFAP遺伝子の異常により生じたタンパク質がアストロサイトの細胞質内に凝集体を形成し、これは病理学的に「ローゼンタール線維」と呼ばれる特徴的な構造物として観察される。2
ローゼンタール線維の蓄積が中枢神経系にどのような障害をもたらすかについては、ミエリン形成の異常や脳白質の破壊を伴うことが知られており、神経系の正常な機能に重大な影響を及ぼす。1
アレキサンダー病は、発症年齢や臨床症状の違いによっていくつかの病型に分類されることが多い。1
乳児型は生後間もなくから乳児期にかけて発症することが多く、大頭症、発達遅滞、痙攣発作、痙性麻痺などが主な臨床症状として現れる。1
一方、成人型や若年型では、錐体路症状、小脳症状、球麻痺、自律神経障害などが主体となり、多発性硬化症や脊髄小脳変性症などの他の神経疾患と類似した経過をたどることもある。1
診断においては、頭部画像検査(MRI)が極めて重要な役割を果たしており、脳白質異常、特に前頭葉優位の白質病変や脳幹・小脳の異常信号などが特徴的な所見として認められる。1
また、確定診断には遺伝子学的検査によるGFAP遺伝子の変異確認が行われる。1
現在、アレキサンダー病に対する根本的な根治療法は確立されておらず、対症療法やリハビリテーションを中心とした医療ケアが提供されている。1