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HEALTH WORDS / 用語解説

アンチモン

Antimony

アンチモンとは、原子番号51の元素であり、周期表では窒素やリン、ヒ素などと同じ15族に属する半金属(あるいはメタロイド)である。1 元素記号はSbで表され、古くからその存在が知られていた物質の一つである。 地殻中には比較的低濃度で存在する稀有金属(レアメタル)の一種であり、自然界では主に輝安鉱などの鉱石として硫黄などと結びついた状態で産出される。2

物理的・化学的な性質として、アンチモンは硬いが非常に脆い金属状の外観を持つ結晶質の固体である。 色は銀白色を呈し、空気中では常温で安定して酸化されない性質がある。 特異な性質の一つとして、液体から固体へ凝固する際に体積が膨張する数少ない物質の一つであり、この特性は鉛などの金属と合金を製造する際に鋳造性を向上させるために利用されてきた。1 電気および熱の導電率は銅や銀などの一般的な金属と比較して低い値を示す。

産業における用途としては、主に鉛との合金として蓄電池の極板や弾薬、軸受などの材料に広く用いられてきた。2 また、三酸化アンチモンとしての化合物の形態で、プラスチック製品や繊維、ゴム製品などに添加される難燃剤の原料として極めて重要な役割を担っている。1 その他にも、半導体分野でのドーパントや、ガラスの清澄剤、顔料、触媒など、多岐にわたる工業製品の製造プロセスにおいて活用されている。

健康および環境への影響に関しては、アンチモンおよびその化合物は毒性を持つ物質として認知されている。3 職業性曝露や環境を介した摂取により、皮膚炎や呼吸器系への刺激、さらには心血管系への悪影響を引き起こす可能性があることが指摘されている。4 そのため、労働安全衛生法や水質汚濁防止法などの法令により、作業環境における濃度基準や排出基準が厳格に定められており、安全管理と適切な取り扱いが強く求められる元素である。3

参考文献・出典

  1. 経済産業省: https://www.meti.go.jp/policy/economy/chizai/chosei/antimony.html ↩1 ↩2 ↩3
  2. 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構: https://mric.jogmec.go.jp/wp-content/uploads/2018/06/mr200606_antimony.pdf ↩1 ↩2
  3. 厚生労働省: https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00767352&dataType=file&pageNo=1 ↩1 ↩2
  4. 独立行政法人製品評価技術基盤機構: https://www.nite.go.jp/data/000084339.pdf ↩