HEALTH WORDS / 用語解説
キセノン
Xenon
キセノンとは、元素の周期表において第18族に属する希ガス(レアガス)元素の一つであり、原子番号54、元素記号はXeである。1
キセノンは地球の大気中にごく微量(体積比で約0.087 ppm)しか存在しない希ガスであり、工業的には空気の分留によって得られる副産物として採取される。1
常温常圧下では無色、無臭、無味の気体であり、化学的に極めて不活性な元素として知られている。1
しかし、フッ素や酸素などの強い酸化力を持つ元素とは化合物を形成することがあり、キセノン四フッ化物や酸化キセノンなどが合成される。2
医学および生物学の分野において、キセノンは吸入麻酔薬としての臨床応用がなされている。3
中枢神経系に対する抑制作用を示し、麻酔導入および維持の目的で使用される吸入麻酔薬としての特性を持つ。3
生体に対する代謝を受けにくく、血液および組織への溶解度が低いため、麻酔からの覚醒が速やかであるという薬力学的特徴を有する。3
また、血行動態に対する抑制作用が比較的少ないため、心血管系への影響が小さい麻酔薬として研究されてきた。3
さらに、キセノンは神経保護作用や臓器保護作用を持つ可能性についても基礎医学および臨床医学の領域で研究が行われている。3
放射性同位元素であるキセノン-133などは、核医学において肺の換気機能検査や脳血流量の測定などの画像診断の分野で利用されることがある。1
物理的・化学的特性としては、非可燃性かつ非毒性であるが、高濃度で吸入した場合には酸素を置換するため窒息を引き起こす危険性が存在する。2
参考文献・出典
- 化学物質ファクトシート2005年度キセノン: https://www.env.go.jp/chems/houdou/mat03_2.pdf ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
- 職場のあんぜんサイト:キセノン: https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/7440-63-3.html ↩1 ↩2
- 医療用医薬品 キセノン: https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultPDF/490025_2825700X1020_1_01 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5