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HEALTH WORDS / 用語解説

薬力学

Pharmacodynamics

薬力学とは、薬物が生体に及ぼす生化学的および生理学的作用や、その作用機序、および濃度と効果の関係を研究する薬理学の一分野である。1

薬力学の基本的な概念として、薬物は生体内の特定の受容体、酵素、イオンチャンネル、トランスポーターなどの標的分子に結合することによって効果を発揮するという点があげられる。2

薬物と受容体の結合においては、薬物が受容体と結合する能力を示す親和性と、結合した後に生体反応を引き起こす能力を示す固有活性(または内因性活性)が重要な要素となる。1

受容体に結合して生体本来の物質と同様の作用を示すものは作動薬(アゴニスト)と呼ばれ、逆に受容体に結合するものの生体反応を引き起こさず、他の作動薬の結合を競合的に阻害するものは拮抗薬(アンタゴニスト)と呼ばれる。2

薬力学的な反応は、薬物の投与量あるいは受容体周辺の薬物濃度と、それによって得られる薬理作用の強さとの関係(用量-反応関係)として定量的に評価される。1

一般的に、薬物濃度が上昇するにつれて薬理作用も強くなるが、すべての受容体が薬物で占有されると、それ以上濃度を上げても効果は頭打ちとなり最大反応に達する。2

この最大効果の半分を発揮するのに要する薬物濃度や用量は、その薬物の受容体に対する親和性や効力の指標として利用される。1

また、薬物の作用には個人差が存在し、遺伝子多型による受容体の構造変化や、疾病の状態、併用する他の薬物との相互作用によって、薬力学的な反応が変動することが知られている。2

このように、薬力学の解析を通じて、医薬品がどのようなメカニズムで治療効果や副作用を引き起こすのかを分子レベルで理解することが可能となる。1

参考文献・出典

  1. 厚生労働省 医療用医薬品の薬物動態学用語解説: https://www.pmda.go.jp/files/000155255.pdf ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
  2. 厚生労働省 薬理学用語集: https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11120100-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000051759.pdf ↩1 ↩2 ↩3 ↩4