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HEALTH WORDS / 用語解説

スプライセオソーム

Spliceosome

スプライセオソームとは、真核生物の核内においてプレmRNA(前駆体mRNA)からイントロンを除去し、エクソン同士を連結するスプライシング反応を触媒する巨大なリボ核蛋白質(RNP)複合体である12。

遺伝子発現の過程において、タンパク質をコードする領域であるエクソンの間に、タンパク質情報を持たないイントロンが挟まった状態で転写されたプレmRNAが生成される2。スプライセオソームはこのプレmRNAの特定の配列を認識し、イントロンを正確に切り出してエクソンをライゲーション(連結)することにより、成熟したmRNAを合成する不可欠な役割を担っている1。

この複合体は、snRNA(核内低分子RNA)と多数のタンパク質から構成されるsnRNP(小型核リボ核タンパク質、具体的にはU1、U2、U4、U5、U6 snRNPなど)が、プレmRNA上のスプライシングシグナルに対して順次かつ動的に集合することによって形成される12。

スプライセオソームの組み立てと触媒活性の発現には、複雑な構造変化とATPなどのエネルギーを伴うRNA-タンパク質相互作用が関与している2。反応が進行する過程で、プレmRNAはラリアット構造と呼ばれるループ状の中間体を経て切断され、最終的に正確なスプライシングが完了する。

オルタナティブスプライシング(選択的スプライシング)は、1つのプレmRNAから異なる組み合わせでエクソンを選択・連結する機構であり、これにより多様なアイソフォームのタンパク質が生み出されるため、真核生物におけるプロテオームの多様性拡大や遺伝子発現制御において極めて重要な意義を持っている13。

スプライセオソームの構成成分の異常やスプライシングの変異は、がんをはじめとする様々な遺伝性疾患やヒトの疾患の発症に深く関与していることが知られており、その分子機構の解明や創薬標的としての研究が進められている12。

参考文献・出典

  1. J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201007011920703817 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
  2. PDBeKB: https://www.pdbe.org/fold/spliceosome ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
  3. PDBeKB: https://www.pdbe.org/fold/kryo/6g90 ↩