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HEALTH WORDS / 用語解説

トランスジェニックマウス

Transgenic mouse

トランスジェニックマウスとは、人工的に外来遺伝子が導入され、そのゲノムが継代可能な状態でその外来遺伝子を保持しているマウスのことである。1

トランスジェニックマウスの作製技術は、哺乳類の遺伝子機能解析や疾患モデル動物の作製において極めて重要な手法として広く利用されている。2

トランスジェニックマウスを作製する際の手法としては、主に前核期胚の雄性前核への外来遺伝子の微小注射(マイクロインジェクション法)が用いられる。1

この手法によって受精卵の段階で外来遺伝子を物理的に導入し、その受精卵を偽妊娠メスの子宮へ移植することによって、外来遺伝子を持った個体を得ることができる。2

導入された外来遺伝子は、宿主であるマウスの染色体のどこかにランダムに組み込まれるのが一般的である。1

そのため、組み込まれる遺伝子のコピー数や挿入されるゲノム上の位置によって、目的とする遺伝子の発現量や発現パターンが個体ごとに異なるという特徴を持っている。2

特定の組織や細胞だけで外来遺伝子を発現させるためには、プロモーターなどの制御領域を工夫してコンストラクトを設計することが行われる。1

これにより、中枢神経系や免疫系など、特定の生物学的プロセスに関与する遺伝子の働きを個体レベルで解析することが可能となる。2

また、特定の疾患の原因遺伝子やその変異体を発現させることで、ヒトの疾患の病態生理学的なメカニズムを解明するための疾患モデル動物としても活用されている。3

近年の遺伝子工学の発展においては、ランダムな挿入を行うトランスジェニック技術に加え、相同組み換え技術やゲノム編集技術を用いて遺伝子を特定の部位に正確に導入するノックインマウスなども開発されているが、外来遺伝子の過剰発現解析などにおいてトランスジェニックマウスは現在でも不可欠なツールである。1

参考文献・出典

  1. ライフサイエンス統合データベースセンター 統合TV: https://togotv.dbcls.jp/howto/104 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
  2. 国立国会図書館インターネット資料収集事業: https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10328841/www.nibio.go.jp/jicrec/Saishin/18_01.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
  3. ライフサイエンス統合データベースセンター 統合TV: https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/10328841/www.nibio.go.jp/jicrec/Saishin/18_01.html ↩