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HEALTH WORDS / 用語解説

個体

Individual

個体とは、生物学において、構造的および機能的に独立して生存し、一つの生命維持システムを完結させている個別の生物単位のことである。1

多細胞生物においては、細胞が集まって組織や器官、器官系を形成し、それらが全体として統合されることで1つの自立した個体が構成される。2

生態系や集団遺伝学などの分野における個体は、種を構成する基本要素であり、進化の過程において自然選択が直接的に作用する単位として極めて重要な意味を持つ。3

単細胞生物の場合には、1つの細胞がそのまま1つの個体として機能し、代謝、運動、生殖などの生命活動のすべてを単独で行う。1

これに対して、群体を形成する生物では、個々の個体(ズーイドなど)が物理的に結合して生活しているものの、それぞれが生理的あるいは遺伝的に一定の独立性を保っている場合もあり、個体と群体の境界が複雑な事例も存在する。2

有性生殖を行う生物の多くは、受精卵という単一の細胞から発生が始まり、細胞分裂や細胞分化を経て多様な組織や器官を作り上げ、最終的に成熟した個体へと成長する。3

遺伝学的な観点から見ると、通常の有性生殖によって生み出された個体は、両親からDNAを受け継ぐことで独自の遺伝子型を持ち、同種の他の個体とは異なる遺伝情報の組み合わせを有している。1

一方で、栄養繁殖やクローン技術などによって生じた個体群は、遺伝的に同一あるいは極めて類似したゲノムを共有しており、発生生物学や遺伝学の研究において重要な実験材料として利用される。2

このように、個体という概念は形態学、生理学、生態学、進化生物学など多岐にわたる生物学領域の基礎をなすものであり、生命現象を理解するための最も基本的な単位として位置づけられている。3

参考文献・出典

  1. コトバンク: https://kotobank.jp/word/%E5%80%8B%E4%BD%93-495345 ↩1 ↩2 ↩3
  2. J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=200906061327177579 ↩1 ↩2 ↩3
  3. J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201007023340578641 ↩1 ↩2 ↩3