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HEALTH WORDS / 用語解説

トランスデューサー

Transducer

トランスデューサーとは、あるエネルギー形式の信号を、別のエネルギー形式の信号へと変換するデバイスや素子の総称である。1 生体計測や医療機器の分野においては、物理量(圧力、温度、流量、変位など)を電気的な信号に変換するもの、あるいはその逆の変換を行うセンサーやアクチュエーターなどの素子を指して用いられることが多い。2

トランスデューサーは、医療現場や医学研究において、生体内で発生する様々な現象を定量的に観測・評価するために不可欠な構成要素である。 例えば、循環器領域の検査で用いられる血圧測定用のトランスデューサーは、血管内の圧力変動という機械的なエネルギーを、電気的な電圧変化へと正確に変換する役割を担う。3 これにより、生体への侵襲を最小限に抑えながら、連続的かつリアルタイムで血圧や生体情報をモニタリングすることが可能となる。

また、超音波検査(エコー)装置の内部にもトランスデューサー(超音波プローブ)が組み込まれており、ここでは圧電素子が重要な働きをしている。 トランスデューサーに電気的なパルス電圧を加えることで超音波を発生させて体内に向けて発信し、体内の組織境界で反射して戻ってきた超音波(機械的振動)を再び電気信号へと変換する。4 この双方向のエネルギー変換メカニズムを利用して、体内の臓器の形状や血流の状態を画像化し、診断に役立てている。

生理学やリハビリテーション科学などの分野における生体力学(バイオメカニクス)の計測では、筋力や関節にかかる荷重、呼吸時の気道内圧などを測定するために、用途に応じた多様なトランスデューサーが設計・開発されている。 これらの測定機器は、高精度かつ安定した変換効率を持つことが求められ、温度変化やノイズの影響を受けにくい回路設計や校正(キャリブレーション)が定期的に実施される。5 このように、トランスデューサーは臨床医学から基礎研究に至るまで、目に見えない生体現象を定量的なデータとして観測するための橋渡し役として、広く活用されている。

参考文献・出典

  1. JIS用語データベース: https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISSearch.html ↩
  2. 厚生労働省 医療機器の安全性確保等に関する情報: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryoukiki/index.html ↩
  3. 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 医療機器添付文書情報: https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/kikiSearch/ ↩
  4. 国立情報学研究所 学術論文情報: https://ci.nii.ac.jp/nrid/1000030273821 ↩
  5. 日本生体医工学会 学会誌論文: https://www.jsmbe.org/publication/journal.html ↩