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HEALTH WORDS / 用語解説

ニューロトランスポルター

Neurotransporter

ニューロトランスポルターとは、神経伝達物質を細胞膜を越えて輸送する膜タンパク質の総称であり、神経伝達の調節やシグナル伝達の終結において極めて重要な役割を果たす分子である。1

神経系において神経伝達物質は、シナプス小胞への取り込みや、シナプス間隙からの回収などを通じてダイナミクスが厳密に制御されている。ニューロトランスポルターは、その機能や局在に基づいて大きく2つの主要なファミリーに分類される。1つは主に細胞質からシナプス小胞内へ神経伝達物質を汲み上げる小胞型トランスポルターであり、もう1つは細胞外液(シナプス間隙など)から細胞質内へ神経伝達物質を再取り込みする細胞膜型トランスポルターである。2

細胞膜型トランスポルターの多くは、ナトリウムイオンや塩化物イオンの電気化学的勾配を利用して神経伝達物質を能動輸送する共役輸送体である。これにはセロトニン、ドパミン、ノルアドレナリンなどを輸送するトランスポルターが含まれており、放出された神経伝達物質を速やかにシナプス間隙から除去することで受容体の過剰な刺激を防ぎ、神経回路の正常な情報処理を維持している。2

また、ニューロトランスポルターは多くの精神疾患や神経疾患の病態に関与しているだけでなく、薬理学的な重要な標的としても知られている。例えば、うつ病の治療に用いられる選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、セロトニントランスポルターに結合してその機能を阻害し、シナプス間隙におけるセロトニン濃度を高めることで抗うつ効果を発揮する。さらに、覚醒剤やコカインなどの薬物依存性物質も、ドパミンやノルアドレナリンなどのトランスポルターに作用してその輸送動態を狂わせることが知られている。1

参考文献・出典

  1. 厚生労働省 e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/psychiatry/ys-067.html ↩1 ↩2
  2. J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター: https://jglobal.jst.go.jp/detail?JGLOBAL_ID=201007018306018357 ↩1 ↩2