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HEALTH WORDS / 用語解説

下垂体前葉

Anterior pituitary gland

下垂体前葉とは、脳の底部に位置する下垂体の前方部分を占め、多様なホルモンを産生・分泌することによって生体の内分泌系を統御する極めて重要な内分泌器官である。1

下垂体前葉は視床下部からの神経分泌物質やホルモンの刺激を受けて制御されており、視床下部と下垂体は門脈系を介して密接に連絡している。2

下垂体前葉からは成長ホルモン、プロラクチン、甲状腺刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモンなどの主要なホルモンが合成および分泌される。3

これらのホルモンは、それぞれ末梢の内分泌腺である甲状腺、副腎皮質、性腺などの機能を調節するほか、骨や軟骨の成長、あるいは乳腺からの乳汁分泌といった直接的な生理作用も引き起こす。4

下垂体前葉の細胞は、染色性や産生するホルモンの種類によって嫌酸性細胞、塩基性細胞、色素嫌性細胞などに分類され、それぞれが特定の遺伝子発現と分化の過程を経て機能を発揮する。5

下垂体前葉の機能が低下すると、汎下垂体機能低下症などの多彩な内分泌疾患を引き起こし、全身の代謝低下や成長障害、性機能障害などの深刻な臨床症状を呈することになる。6

一方で、下垂体前葉に腫瘍などの病変が生じた場合には、特定のホルモンが過剰に産生されることで先端巨大症やクッシング病といった内分泌代謝疾患の原因ともなる。7

このように、下垂体前葉は神経系と内分泌系の重要な中継地点として、恒常性の維持において中心的な役割を担っている。8

参考文献・出典

  1. 職域におけるメンタルヘルス対策の推進に関するマニュアル: https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/rousai04/index.html ↩
  2. 生理学テキスト: https://www.nips.ac.jp/contents/release/entry/2016/06/post-310.html ↩
  3. 解剖学ウェブ: https://www.med.niigata-u.ac.jp/anatomy/ ↩
  4. 厚生労働省e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-054.html ↩
  5. 日本内分泌学会雑誌: https://www.j-endoc.jp/ ↩
  6. 難情報センター: https://www.nanbyou.or.jp/ ↩
  7. 国立国際医療研究センター病院: https://www.hosp.ncgm.go.jp/ ↩
  8. 文部科学省科学研究費補助金研究成果報告書: https://kaken.nii.ac.jp/ ↩