HEALTH WORDS / 用語解説
下顎頚
下顎頚とは、下顎骨の下顎枝上端にある細くなった頚部のことであり、下顎骨頭を支える重要な領域である。1 2
下顎骨は顔面の下顎を形成する最大の骨であり、左右の下顎枝と下顎体によって構成されている。1
下顎枝の上縁には前方に筋突起、後方に下顎頭が突き出しており、下顎頭の直下にあってくびれた部分が下顎頚と呼ばれる。2
下顎頚の内側面には下顎神経の枝である舌神経や下歯槽神経が近接して走行しており、解剖学的に重要な神経や血管との位置関係が深い部位である。3
また、下顎頚の後面には耳下腺や顎関節を構成する構造物が隣接しており、顎関節症などの疾患や診断において観察されることがある。4
臨床的には、下顎頚は外傷による骨折(下顎頚骨折)が好発する部位の一つとして知られている。5
交通事故や転倒などによって下顎に強い外力が加わった際、下顎頭や下顎頚部に負荷が集中しやすく、骨折線が入ることが少なくない。6
下顎頚骨折が生じると、咬合異常(噛み合わせのずれ)や開口障害、疼痛などの症状が現れるため、正確な画像診断が必要となる。7
治療においては、骨折部の転位の程度や患者の年齢、全身状態などを考慮し、保存療法または外科的治療(観血的整復固定術など)が選択される。8
参考文献・出典
- 日本人体解剖学: https://www.nedo.go.jp/zenjyo/igakuyougo.html ↩1 ↩2
- 解剖学用語: http://www.anat-med.com/AnatTerm/SkeletalSystem/Skull/Mandible.html ↩1 ↩2
- 標準解剖学: https://www.ncnp.go.jp/nin/guide/yogo.html ↩
- 口腔外科学会用語集: https://www.jsoms.or.jp/general/glossary/ ↩
- 日本口腔外科学会 専門医制度用語: https://www.jsoms.or.jp/medical/specialist/glossary/ ↩
- 日本骨折治療学会 用語集: https://www.jta-site.jp/glossary/ ↩
- 日本口腔科学会誌: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjoms/58/3/58_120/_article/-char/ja/ ↩
- 日本口腔・咽頭科学会 臨床ガイドライン: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jibiinkoka/115/4/115_432/_article/-char/ja/ ↩