HEALTH WORDS / 用語解説
中心静脈圧
Central Venous Pressure
中心静脈圧とは、右心房近傍または上大静脈における血液の圧力を示す指標であり、一般に右心房へ戻ってくる血液の量である静脈還流量と、右心室のポンプ機能(心機能)とのバランスを反映する生体パラメータである。1
中心静脈圧の測定は、中心静脈カテーテルを内頸静脈、鎖骨下静脈、あるいは大腿静脈などの太い静脈から挿入し、その先端を右心房に近い上大静脈に留置して行うのが一般的な臨床手技である。2
この圧力は、循環血液量の過不足を評価するための重要な指標として用いられる。 例えば、出血や脱水などによって循環血液量が著しく減少している場合には、中心静脈圧は低値を示す。 反対に、心不全や輸液の過剰投与などによって体液量が増加している場合や、心臓のポンプ機能が低下している場合には高値を示す。1
集中治療室(ICU)や手術室などの臨床現場において、中心静脈圧の測定は急性循環不全の病態把握や、輸液療法の効果判定および安全性を確認するためのモニタリング手段として広く活用されている。 ただし、単一の中心静脈圧の測定値のみから患者の心機能や容量負荷の状態を完全に断定することは困難であり、血圧、心拍数、尿量、末梢循環の状態などの他の生体情報や身体所見と総合して解釈することが求められる。2