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HEALTH WORDS / 用語解説

中間腱

intermediate tendon

中間腱とは、2つの筋腹の間、あるいは筋と腱の間に位置して、筋肉の方向転換や構造的な支点としての役割を果たす腱の組織である。1 解剖学および発生学において、中間腱は特定の骨格筋が発揮する張力の伝達経路を変更したり、周囲の結合組織と強固に結合したりするために極めて重要な構造基盤を提供する。2

代表的な例として肩甲舌骨筋における中間腱が挙げられ、この腱は同筋の上腹と下腹を連結するとともに、深頸筋膜の頸筋膜中層(気管前層)によって鎖骨や第一肋骨の方向へと固定されている。1 このような局所的な係留装置が存在することにより、肩甲舌骨筋は収縮する際に直線の牽引を行うだけでなく、頸部の立体的な深部構造の中でその走行角度を巧みに変化させることが可能となる。2

また、眼窩内における上斜筋の滑車や、顎二腹筋の中間腱なども人体における顕著な例として知られており、顎二腹筋の前腹と後腹を繋ぐ中間腱は舌骨の側面に結合組織性の滑液包を介して固定されている。1 この顎二腹筋の中間腱の存在によって、下顎骨の開口運動や舌骨の挙上運動に関与する際の筋力のベクトルが効率的に変換され、複雑な口腔・咽頭領域の運動機能が円滑に遂行されるようになっている。2

組織学的な観点から見ると、中間腱は豊富に配列された膠原繊維(コラーゲン線維)の束によって構成されており、高い引張強度を有しながらも周囲の筋膜や滑液包との間で滑走運動を行えるような特殊な微細構造を維持している。1 このように中間腱は、単に筋と骨を結ぶ一般的な腱とは異なり、複数の筋腹を直列あるいは複雑な角度で連結し、生体のダイナミックかつ繊細な力学バランスを維持するための不可欠な解剖学的構造物として機能している。2

参考文献・出典

  1. 日本人体解剖学 上巻: https://webview.isho.jp/book/detail/10.1889/9784260138598 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
  2. 標準理学療法学・作業療法学 解剖学: https://webview.isho.jp/book/detail/10.1889/9784260377980 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4