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HEALTH WORDS / 用語解説

低身長症

Short stature / Dwarfism

低身長症とは、標準的な身長と比較して著しく低い身長を示す状態を指す。1 一般的に、同性・同年齢・同人種の子どもの集団における身長の分布において、平均値から標準偏差(SD)を算出した際に「-2.0 SD」未満である場合に低身長と判定される。2

人間の身長の伸びは、遺伝的な要因や栄養状態、ホルモンの分泌、全身の健康状態など、数多くの複雑な要素によって決定されている。1 そのため、低身長症の原因は単一ではなく、多様な疾患や生理的要因が背景に存在している。2

低身長症の主な原因の一つとして、内分泌疾患が挙げられる。1 脳下垂体からの成長ホルモンの分泌が不足する成長ホルモン分泌不全性低身長症や、甲状腺ホルモンの分泌異常によって代謝が低下する甲状腺機能低下症などが代表的である。2 これらのホルモンの異常は、適切な検査を通じて診断され、多くの場合には不足しているホルモンを補充するホルモン補充療法などの治療が行われる。1

また、ホルモンの分泌量には異常が認められないものの、骨や軟骨の形成異常を伴う骨系統疾患が原因となる場合もある。2 これには軟骨無形成症などの遺伝子疾患が含まれており、全身の骨格のバランスや四肢の長さに特徴的な変化が現れることが多い。1

さらに、特定の染色体異常が背景にある場合もあり、女性の性染色体であるX染色体の一部または全部が欠失するターナー症候群などが知られている。2 ターナー症候群では、身長の伸び悩みのほかにも特異的な身体的特徴や思春期の発達障害を伴うことがあり、小児科や内分泌代謝科などの専門医療機関での継続的な管理と治療が必要とされる。1

低身長症の中には、特定の疾患やホルモン異常が認められない体質性思春期遅発症や家族性低身長といった生理的なバリエーションも含まれる。2 家族性低身長は両親の身長が低いことが遺伝的要因となっており、病気ではなく体質の一つとして捉えられる。1 一方、体質性思春期遅発症は思春期の訪れが遅いために一時的に身長が低くなるものの、最終的には正常な範囲まで身長が伸びることが多い。2

低身長症の診断においては、過去の成長曲線の記録が極めて重要な情報となる。1 単に現在の身長が低いというだけでなく、経時的な身長の伸び率や体重増加の推移を確認することで、疾患によるものか体質によるものかの鑑別を行うことができる。2 医療機関では血液検査によるホルモン値の測定や、骨年齢を評価するためのX線検査、必要に応じて遺伝子検査や画像診断などが実施される。1

このように、低身長症は多様な要因によって引き起こされるため、早期発見と専門医による正確な診断が、適切な治療方針を決定する上で極めて重要である。2

参考文献・出典

  1. 国立成育医療研究センター: https://www.ncchd.go.jp/hospital/section/pediatrics/endocrinology/growth.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9
  2. 日本小児内分泌学会: https://jspe.umin.jp/public/teishin.html ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5 ↩6 ↩7 ↩8 ↩9