HEALTH WORDS / 用語解説
側腹壁
lateral abdominal wall
側腹壁とは、腹部の両側面に位置し、前方の腹直筋から後方の背部の筋肉および脊柱に至るまでの範囲を構成する、皮膚、皮下脂肪、筋膜および複数の筋肉からなる壁状の構造物である。1 2
解剖学的に側腹壁は、表層から深層にかけて外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋という3層の筋肉が重なり合って形成されており、それぞれの筋繊維が異なる方向に走行することで腹腔内の臓器を保護し、その位置を保持する重要な役割を担っている。1 2
これらの3層の筋肉は、腹部の前方中央部において腱膜となり、腹直筋鞘を形成して腹壁全体の強度を高めている。2
また、側腹壁を構成する筋肉群は、呼吸運動の際に呼気を補助するだけでなく、排便、排尿、分娩、嘔吐などにおいて腹腔内圧(腹圧)を上昇させるために協調して収縮する機能を持っている。1
さらに、直立姿勢の維持や体幹の回旋、側屈といった運動においても側腹壁の筋肉は不可欠な役割を果たしており、脊柱の安定性を保つための体幹のインナーマッスルとしての機能も有している。1
臨床医学においては、側腹壁は外科的な手術アプローチの経路となるほか、加齢や腹壁の脆弱化、手術による創傷治癒の遅延などに伴ってヘルニア(側腹壁ヘルニア)などの疾患が発生する部位としても知られている。3 1
側腹壁の構造や機能を詳細に理解することは、腹部の外科手術における安全性の確保や、腹壁の疾患に対する適切な診断および治療を行う上で極めて重要である。3
参考文献・出典
- 南山堂 医学大辞典: https://www.nanzando.com/ ↩1 ↩2 ↩3 ↩4 ↩5
- 解剖学用語: http://www.anatomy.med.keio.ac.jp/ ↩1 ↩2 ↩3
- 日本外科学会: https://www.jsfs.or.jp/ ↩1 ↩2