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HEALTH WORDS / 用語解説

円蓋部髄膜腫

Convexity meningioma

円蓋部髄膜腫とは、大脳半球の凸面(円蓋部)の硬膜表面に発生する髄膜腫であり、脳の表面を覆うクモ膜の細胞に由来する良性腫瘍の一つである。1

髄膜腫はすべての脳腫瘍の中で最も頻度が高い腫瘍の一つであり、その中でも円蓋部髄膜腫は全体の約20%を占める代表的な発生部位である。2

円蓋部髄膜腫は、大脳皮質の表面に位置する硬膜から発生するため、頭蓋骨の内側に直接接して発育する。3

多くの場合、周囲の脳組織を圧迫しながら頭蓋内で増大するが、腫瘍自体は境界が明瞭であることが多い。4

発生原因としては、遺伝子変異や放射線照射の既往などが関与しているとされるが、明確な予防法は確立されていない。5

腫瘍が小さいうちは無症状であることも多いが、腫瘍の増大に伴って周囲の脳組織や神経が圧迫されるため、様々な神経症状が出現する。1

主な臨床症状としては、頭痛、痙攣発作(てんかん発作)、片麻痺などの運動障害、感覚障害、高次脳機能障害などが挙げられる。3

特に、運動野や感覚野の近傍に位置する場合や、腫瘍による脳浮腫を伴う場合には、痙攣や麻痺といった局所症状が比較的早期から現れやすい。2

診断には、頭部MRI検査や頭部CT検査などの画像診断が極めて有用である。1

MRI検査では、造影剤を用いることで、硬膜に広く基底をもって接する境界明瞭な腫瘍として描出され、周辺の脳組織との位置関係や脳浮腫の程度を詳細に評価することができる。3

治療の基本は外科的手術による腫瘍摘出であり、根治を目指す場合には硬膜の付着部も含めて完全に切除することが行われる。2

円蓋部髄膜腫は他の脳底部などに発生する髄膜腫と比較して、手術アプローチが比較的容易であるとされるが、脳表面の重要な血管や脳機能を担う領域との癒着がある場合には、慎重な顕微鏡手術(マイクロサージェリー)が要求される。3

高齢者や無症状の小型の腫瘍に対しては、画像検査による経過観察(定期的なフォローアップ)が選択されることもある。4

手術による全摘出が困難な場合や、組織診で悪性所見が認められる場合などには、放射線治療やガンマナイフなどの定位放射線照射が補助的あるいは追加的に行われることがある。2

参考文献・出典

  1. 脳腫瘍の手引き - 脳腫瘍の種類: https://www.ncchd.go.jp/hospital/section/patient/brain/kind.html ↩1 ↩2 ↩3
  2. 脳腫瘍の外科学: https://mol.medicalonline.jp/archive/search?bookmark=true&jo=sh5bousu&yi=2018 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
  3. 脳神経外科疾患情報 - 髄膜腫: https://www.jns.gr.jp/public/disease/suimakusyu/ ↩1 ↩2 ↩3 ↩4
  4. 脳腫瘍 - 11. 中枢神経系腫瘍 - MSDマニュアル プロフェッショナル版: https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル/11-中枢神経系腫瘍/脳腫瘍/脳腫瘍 ↩1 ↩2
  5. 脳腫瘍 - 06. 脳、脊髄、末梢神経の疾患 - MSDマニュアル 家庭版: https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/06-脳、脊髄、末梢神経の疾患/脳腫瘍/脳腫瘍 ↩