HEALTH WORDS / 用語解説
ガンマナイフ
Gamma Knife
ガンマナイフとは、多数のコバルト60線源から発せられるガンマ線を、病巣に対して多方向から集中させて照射する放射線治療装置、およびその治療法の名称である。12
本装置は脳腫瘍や脳血管障害などを対象とした定位放射線治療(定位手術的照射)に特化して開発された医療機器であり、頭蓋骨を固定して極めて高い精度で病変に放射線を照射することが可能である。32
ガンマナイフによる治療は、頭部に定位フレームと呼ばれる専用の固定器具を装着し、MRIやCTなどの画像診断装置を用いて正確な座標を算出した上で実施される。31
数十個のコバルト60線源から出た個々のガンマ線は、それ自体では正常組織に影響を与えない程度の低い線量であるが、病巣の一点においてのみ交差して集中するように設計されているため、標的となった病変に対してのみ致死的な放射線量を投与することができる。23
この集束技術により、周囲の正常脳組織や神経、血管への被曝を最小限に抑えることが可能となり、従来の開頭手術と比較して身体的負担が大幅に軽減されるという特徴を持つ。12
主な適応疾患としては、転移性脳腫瘍、髄膜腫、聴神経腫瘍などの良性および悪性脳腫瘍のほか、脳動静脈奇形や、三叉神経痛などの機能的疾患が挙げられる。31
外科手術が困難な部位にある病変や、高齢者や合併症を有する患者に対しても適用できる場合が多く、放射線感受性の低い腫瘍や血管病変に対しても高い治療成績を示している。23
治療は通常1回で行われることが多く(単回照射)、入院期間も短縮される傾向にあるが、照射された病巣が壊死・縮小するまでに数ヶ月から数年を要する場合がある。12