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HEALTH WORDS / 用語解説

再分極相

Repolarization phase

再分極相とは、活動電位の発生によっていったん脱分極した細胞膜の電位が、再び静止膜電位へと戻る過程における一時期を指す。1

興奮性細胞である神経細胞や心筋細胞、骨格筋細胞などにおいて、活動電位の脱分極相で膜電位がプラス側へピークに達した直後から、細胞内を再びマイナスへと導くためにこの再分極相が引き起こされる。2

神経細胞や骨格筋細胞における再分極相の主要なメカニズムは、電圧依存性ナトリウムチャネルが不活性化されてナトリウムイオンの細胞内への流入が停止すると同時に、電圧依存性カリウムチャネルが開口することにある。3

電圧依存性カリウムチャネルが開きカリウムイオンに対する透過性が急激に高まると、濃度勾配および電気化学的勾配に従って、カリウムイオンが細胞内から細胞外へと大量に流出する。1

正の電荷を持つカリウムイオンが細胞の外へ移動することにより、細胞膜の内側の電位は低下し、再び静止膜電位に近いマイナスの状態へと近づいていく。3

一方、心室筋細胞などの心筋における活動電位の再分極相は、神経細胞とは異なり、プラト相と呼ばれる持続的な脱分極状態を経たのちに出現する複雑な動態を示す。2

心筋細胞の再分極相においては、L型カルシウムチャネルを通じたカルシウムイオンの流入が減少し、複数の種類のカリウムチャネルを介したカリウムイオンの細胞外への流出が優位になることで膜電位の下降が進行する。3

この心筋における再分極相は、心臓の効率的なポンプ機能に必須である不応期を形作る上で重要な役割を果たしており、不整脈の発生機序や抗不整脈薬の作用点としても深く関与している。1

再分極相の終盤では、膜電位が一時的に静止膜電位よりもさらにマイナス側へ過剰に低下する後過分極が観察されることもあり、これはカリウムチャネルの閉鎖が比較的緩慢に行われるために生じる。2

このような一連のイオンの移動による再分極相の経過によって、細胞は次の刺激を受け入れる準備を整えることができ、興奮の伝播や情報伝達が生理的な周期を保って継続可能となる。3

参考文献・出典

  1. 生化学辞典 第4版: https://webview.isho.jp/vocab/detail/I00010_02950 ↩1 ↩2 ↩3
  2. 生理学テキスト 第3版: https://webview.isho.jp/vocab/detail/I00010_13455 ↩1 ↩2 ↩3
  3. 標準生理学 第9版: https://webview.isho.jp/vocab/detail/I00010_13456 ↩1 ↩2 ↩3 ↩4