HEALTH WORDS / 用語解説
前脳基底野
前脳基底野とは、大脳半球の底部、線条体の腹側に位置し、主としてコリン作動性神経系の中枢として覚醒や睡眠、認知機能の調節に関与する脳の領域の総称である。1
前脳基底野はマイネルト基底核、対角帯核、内側中隔核などの神経核を含んで構成されている。1
この領域に存在するニューロンの多くは、アセチルコリンを神経伝達物質として利用するコリン作動性ニューロンであり、大脳皮質の広範囲に広く軸索を投射している。1
前脳基底野のコリン作動性神経系は、脳波の覚醒化や注意、学習、記憶などの高次脳機能の維持において極めて重要な役割を果たしている。1
アルツハイマー病などの神経変性疾患においては、前脳基底野のコリン作動性ニューロンが特異的に脱落し、アセチルコリン量が著しく低下することが知られており、これが認知機能障害の一因と考えられている。1
また、前脳基底野は睡眠物質の受容や睡眠・覚醒サイクルの制御にも深く関与しており、睡眠の調節メカニズムを解明する上でも重要な研究対象となっている。2