HEALTH WORDS / 用語解説
口角下制筋
口角下制筋とは、下顎骨の下縁から起こり、上方に向かって筋肉の線維を走らせ、口角の皮膚および口唇の皮下組織に停止する表情筋の一つである。1 解剖学的には下顎下縁の外面から起始し、口角に向かって狭まりながら上行する三角形に近い形状を持つ筋として定義される。2
口角下制筋の主な生理的機能は、口角を下方および外側へ引き下げることにある。3 顔面神経の支配を受けて収縮し、人が悲しみ、不満、嫌悪、あるいは軽蔑などの感情を非言語的に表現する際に重要な役割を果たす。4 日常生活における豊かな表情の形成に寄与するだけでなく、口唇の開閉や咀嚼、発音といった口腔の基本運動を補助する機能も担っている。1
臨床医学および形成外科の領域において、口角下制筋は顔面神経麻痺の評価や加齢に伴う皮膚のたるみ、マリオネットラインの形成機序に関連して言及される。5 加齢とともに筋の緊張が変化したり、重力の影響や皮下脂肪の減少が加わったりすることで、口角が下がる原因の一つとなることがある。6 また、美容医療や顔面神経疾患の治療においては、ボツリヌス療法などの注射による筋活動の調節ターゲットとされることもある。5
参考文献・出典
- 日本人体解剖学(上巻): https://www.nankodo.co.jp/g/g9784524227914/ ↩1 ↩2
- 解剖学ウェブ: https://www.Anatomy.med.keio.ac.jp/ ↩
- 標準生理学: https://www.igaku-shoin.co.jp/book/detail/91625 ↩
- 南山堂医学大辞典: https://www.nanzando.com/ ↩
- 形成外科学: https://www.kinpodo-pub.co.jp/book/3052-2/ ↩1 ↩2
- 日本形成外科学会: https://jsprs.or.jp/general/disease/plastic/ ↩