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HEALTH WORDS / 用語解説

呼吸機能

Respiratory function

呼吸機能とは、生体が外界から酸素を取り込み、代謝によって生じた二酸化炭素を体外へ排出する一連のガス交換および換気にかかわる生理的機能全般のことをいう。1 呼吸機能の主要な目的は、身体組織の代謝要求に応じた適切な酸素供給と酸塩基平衡の維持であり、その営みは肺をはじめとする呼吸器系の複雑な構造と協調的な運動によって支えられている。2

呼吸機能の評価および解析において最も基本的かつ臨床的に重要視される指標の一つが肺活量である。1 肺活量とは、最大限に息を吸い込んだ状態から、一気に吐き出すことのできる最大の空気の量のことであり、呼吸筋の力や肺の弾性収縮力、さらには胸郭の柔軟性を総合的に反映する重要な呼吸機能検査項目である。1 また、肺活量だけでなく、努力して一気に息を吐き出すときの最初の1秒間の空気の量を測定する1秒量や、それを肺活量で割った1秒率なども呼吸機能を評価する上で不可欠な指標となる。3

呼吸機能検査は、肺の換気能力や気道の通過障害の有無を客観的に評価するために広く実施される。4 代表的な疾患として、気管支の慢性炎症や気道狭窄により息を吐き出す能力が著しく低下する慢性閉塞性肺疾患(COPD)や、肺自体が硬くなって十分に膨らまなくなる間質性肺炎などの呼吸器疾患が挙げられ、これらの病態把握や重症度分類において呼吸機能の測定データは極めて重要な役割を果たす。4 さらに、スパイロメーターを用いた精密な測定により、閉塞性障害と拘束性障害の鑑別が可能となり、個々の患者に応じた治療方針の決定やリハビリテーションの計画立案に直結する。4

加齢や喫煙習慣、大気汚染物質への曝露などは、経時的に呼吸機能の低下を引き起こす主な要因として知られている。5 特に長期的な喫煙は肺胞壁の破壊や気道の構造的変化を誘導し、肺気腫などの不可逆的な病変を形成することで、加齢による生理的な低下速度を大きく上回る呼吸機能の悪化を招くことが明らかにされている。5 そのため、健康寿命の延伸や生活習慣病予防の観点からも、呼吸機能を良好な状態に維持し、早期発見・早期介入につなげるための定期的な健康診断や肺機能検査の実施が強く推奨されている。6

参考文献・出典

  1. 厚生労働省 e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-079.html ↩1 ↩2 ↩3
  2. MSDマニュアル プロフェッショナル版: https://www.msdmanuals.com/s/ja/プロフェッショナル/肺疾患/呼吸器系の構造と機能/呼吸器系の概要 ↩
  3. 労働者健康安全機構 日本労働安全衛生調査研究センター: https://www.jisha.or.jp/research/files/zenkoku2016_02_02.pdf ↩
  4. 日本呼吸器学会: https://www.jrs.or.jp/modules/patient/index.php?content_id=53 ↩1 ↩2 ↩3
  5. 厚生労働省 e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco/t-06.html ↩1 ↩2
  6. 厚生労働省 e-ヘルスネット: https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/metabolic/m-05_004.html ↩