HEALTH WORDS / 用語解説
呼吸窮迫症状
呼吸窮迫症状とは、肺のガス交換機能や呼吸器系の異常によって引き起こされる、著しい呼吸困難および努力呼吸の状態を指す医学的所見の総称である。1
この症状は、気道の閉塞や肺胞の障害、さらには循環器系の異常など、多様な病態によって誘発される。2
臨床的には、患者は空気を取り込もうとして呼吸数の増加や、呼吸筋の過剰な使用を示す。1
具体的には、鎖骨上窩や肋間などの胸郭が吸気時に陥没する陥没呼吸や、鼻翼呼吸といった代償機転が観察される。3
重篤な状態に陥ると、血液中の酸素濃度が著しく低下する低酸素血症が進行し、チアノーゼなどの症状が現れることがある。1
小児や新生児の領域においても呼吸窮迫症状は重要な臨床問題であり、新生児呼吸窮迫症候群などは肺サーファクタントの欠乏を主因として発生する。3
成人においては、敗血症や外傷、肺炎などの重度な全身性炎症反応を契機として発症する急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の主要な症状として現れる。1
病態が進行すると、肺水腫の増悪により肺のコンプライアンスが著しく低下し、通常の換気管理では十分な酸素化を維持することが困難になる。1
このような状態に対する診断には、動脈血ガス分析による血中ガスの評価や、胸部X線検査および画像診断による肺実質の異常の確認が不可欠である。2