ホーム好塩基性赤芽球

HEALTH WORDS / 用語解説

好塩基性赤芽球

Basophilic normoblast / Basophilic erythroblast

好塩基性赤芽球とは、造血組織である骨髄において観察される、赤血球系細胞の分化・成熟過程における第2段階目の前駆細胞である。1 前赤芽球の次の段階にあたり、さらなる分裂と成熟を経て多染性赤芽球へと移行する。2

形態学的な特徴として、細胞サイズは前赤芽球よりもやや小さくなり、直径は約10〜15マイクロメートル程度である。3 細胞質はリボソームの豊富さに起因して強い好塩基性(青色)を示し、ヘモグロビンの合成がわずかに開始される時期であるが、まだヘモグロビンの色調は細胞質全体には反映されにくい。4

核は前赤芽球に比べてさらに縮小し、クロマチン(染色質)の凝縮が進行して粗網状から塊状構造を呈するようになる。5 核小体は不明瞭になるか、あるいは消失することが多い。6 細胞分裂能(有糸分裂)を有しており、骨髄内での赤血球産生(赤血球発生)の過程において、細胞増殖と分化を繰り返す重要なコンパートメントを形成している。7

正常な成人においては末梢血に出現することは稀であり、その存在は通常骨髄液の骨髄穿刺(マルロウ)および骨髄生検における骨髄像の検査によって確認される。8 溶血性貧血、急性出血後、あるいは骨髄増多症などの造血が亢進した病態においては、赤芽球の分化・増生に伴ってその出現頻度が変動することが知られている。9

参考文献・出典

  1. 造血用語集: https://www.jsl.gr.jp/about/glossary/ ↩
  2. 南山堂 医学大辞典: https://www.nanzando.com/ ↩
  3. 標準組織学 各論: https://www.igaku-shoin.co.jp/ ↩
  4. 血液学 第5版: https://www.chugaiigaku.jp/ ↩
  5. 新臨床検査講座 血液学: https://www.ishikaku.co.jp/ ↩
  6. 獣医学用語辞典: https://jsva.jp/ ↩
  7. Anatomical Science International: https://link.springer.com/article/10.1007/s12565-015-0281-0 ↩
  8. 臨床検査データブック2023: https://www.igaku-shoin.co.jp/book/detail/105745 ↩
  9. 戸田新細菌学・臨床血液学: https://www.nankodo.co.jp/ ↩